第11夜 ページ11
「……朝霧か。」
朝。
霧がまだ晴れぬ森の中に二人。
「義勇。」
冨岡義勇と朝霧涼雅。
「朝霧。まだ傷が癒えていないと聞いたが。」
「戦えぬとも、外には出れる。たまには、外の空気を吸わなければ息苦しいんだ。」
「そうか…。」
どこか寒そうに、羽織の裾に手を引っ込めながら、鍛錬を一人で行っている最中の冨岡に視線を向ける朝霧。
冨岡の手には木刀がしっかりと握られており、先程まで目隠しをしていたのか、首元には布がかかっていた。
「朝霧さーん?流石に体が冷えますよー?」
どこか遠くでは、朝霧を呼ぶ胡蝶の声が聞こえる。
「行け。」
「嗚呼。そろそろ帰るよ。」
そうだ、と朝霧はふと足を止め、冨岡に向かってこう言った。
「無理だけは、するな。」
霧も晴れた頃。
森には一人。
冨岡は汗を流しながら、まめの多い手で木刀を持って立っていた。
「それはお前もだ。」
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天麩羅 - わわわ更新されてるぅぅううう!! (2020年3月15日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - わぁーーーぁああああ!面白いぃぃぃぃいいいい!更新頑張って下さいぃいい!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - いおりさん» ありがとうございます。そのようなお言葉本当に嬉しい限りです。 (2020年2月1日 22時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
いおり - めっちゃどタイプの小説きたーーーっ、これからも期待して待ってます。更新頑張ってください (2020年1月12日 14時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - mo4さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年1月12日 13時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lotus_1022
作成日時:2019年9月9日 22時