この世界の人達は強引すぎる6【名探偵コナン】

FILE255：顎のLIFE ページ13

グイッと髪を引っ張られた。


『んっ！！んん！！』



痛い痛い痛い！！髪引っ張るなよ！抜けるだろ！



「ほら立て！」


涙目になりながらも立つと男は私の首を持ち何処から取り出したのかナイフを首に当ててきた。


『んっ！？』



だ、誰か助けてっ…！
だが無情にも誰も助けには来ない。



「動くなよ？動いたら刺すからな」


コクコクと首を縦に振ると犯人の男は少し力を緩めた。



「俺だって本当はこんな事…」



男の近くに居たので男がボソッと言った言葉が聞き取れた。
どう言う事…？この人はやりたくてやってるんじゃないの？
そう思っていたら騒がしかった店内にカランカランという音が響き渡った。



「だっ、誰だ！」


男は私の首に当てていたナイフを入って来た人に向けた様だ。

私の首？というか正確に言うと顎なのだが、男に掴まれている為後ろが向けなかった。

だけど入って来た人が喋った事でその人が誰なのかすぐに分かった。


「…こんな所で何を？」



ま、待って！？この声安室さんじゃん！この特徴的な声は安室さん以外あり得ない！

…キッドとか変声機使ってる人以外は。
安室さん(？)はツカツカとこちらに歩み寄って来ている様だ。



「く、来るな！」


突然犯人が回転し、それと同時に私の顎も持ってかれる。


『んぐっ！！』



痛い痛い痛い！首持って急に回らないで！
だが男が後ろを向いたおかげで扉から入って来た人の顔がハッキリと見えた。


やっぱり安室さん！！
安室さんは一瞬驚いた顔をしてすぐに真剣な表情をした。



「彼女を離してください」


鋭い眼光が私の後ろの犯人を見ている…筈なのだが、何故か私にも彼の恐ろしさが伝わって来る。
こ、怖っ…。安室さんの正体知ってなかったら多分泣いてたよ。


「く、くそっ！」



男が私を突き飛ばすと安室さんに向かって行った。
あ、あの犯人終わったな。
安室さんは刃物を避けると男の腕を後ろに回し、拘束した。


いや、もうそれは華麗に。



「ぐぅ！！うっ…」




男は関節が外れたのか知らないが呻き声を上げながらグッタリとしていた。
う、うわぁ…犯人だけどなんか可哀想…。

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