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「太一〜!」


「ん 」



 寒空の下、大好きな彼の名前を呼ぶ。


 太一は寒そうに鼻をすする。



「…みてみて、今日はちゃんとマフラー巻いてきた!」

「さすがに今日忘れてたらバカでも大風邪ひくよ」

「ね、寒いよね」

「うん」



 並んで歩きだす。


 …また会話が途切れた。




「…最近、バレーどう?」


「どうって?」


「その…、次の春から高1になる子達、何人か来てるんじゃないかなって思って」


「あー、よく分かったな。2、3人たまに練習来てるよ。
まだ試合中の動作とか、中学生らしい不自然さが残ってたけど、ウチで練習してたら嫌でも強くなりそうかな」


「そっかぁ」


「うん」




 話のタネを探しながら歩いていき、

 バス停についた。




「あ、まだバス来てない。ラッキー」


「…なー、A」

「…なにー?」



 気まずそうな太一のカオ。

 何を言われるんだろう。と不安になる。





「わるいんだけど、次から俺バス停寄らずに帰ってもいい?」


「……え…」


「あー、ごめんな。そろそろ俺ら3年だろ?
引退まで時間が無いんだ。時間なんかいくらあっても足りない」


「それは、…うん、もっとも」


「…一緒に帰るのは別にいいんだけど、バス停まで来たら俺、寮に行くために道の途中引き返さないといけないだろ?
正直そこに使う時間の分、勉強だったり体さっさと休ませるのに使いたい」

「……そっか」

「……あー………ごめん。
俺の都合ばっかり押し付けて、やっぱり無しで。いいよ、忘れて」



 ふう。と息を吐き出しながら
 一息にそう言う太一。

 つい言っちゃった。みたいな言い方
 からして、たぶん本音だったのだろう。


「ううん、いいの。太一部活頑張ってるし」



 …なにより、太一の重荷になりたくなくて。



「じゃあ次からはあの分かれ道でバイバイだね!」


「……うん、ありがと」


「いいの!…あ、バス来ちゃった。
太一、また明日ね!」


「おう、またな」



 手を振ってバスに乗り込んだ。





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佐佐木 燈夏(プロフ) - 宇 多さん» お好みのお話でしたか、大変嬉しいです!\(^0^)/お気遣いまで…、ありがとうございます!きちっと完結させますので、それまでよろしくお願いします〜!m(_ _)m (2018年9月18日 22時) (レス) id: e40b23aa69 (このIDを非表示/違反報告)
宇 多(プロフ) - コメント失礼します。こういう展開が個人的にとても好きな上、太一が凄く好きだったので見つかって嬉しいです。暑い日が続きますがお体には気をつけて、更新を楽しみにしております(*´ー`*) (2018年8月15日 18時) (レス) id: 0eebc288f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐佐木 燈夏 | 作成日時:2018年4月7日 0時

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