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35、 ページ36

・宮舘目線






翔太から聞こえた「好き」の言葉



それは






ずっと昔に聞いたものと同じだった___________







 





 






その昔、俺は人間でショウタが狼だった





そして、小さい頃







俺は、迷子になって餓死寸前のショウタに、ご飯を作って渡していた




子供の俺に出来る料理は おにぎりくらいだったし、形も歪だった







それなのに、ショウタは「美味しい、ありがと」なんて、口にお米を付けながら笑ってくれた







それからは群れに合流するまでと言って、こっそり匿っていた









「リョウタ…」


『大丈夫だよ、俺がいるから』


「うん…!」



 


不安そうに震えて、俺の袖を掴む姿



俺を見つけると嬉しそうに笑った笑顔



俺のことを呼ぶ透き通った声









全てを守りたい、側に居たいって





そう思っていたのに









 






「ショウタから離れろ!!人間!!」




突如、背中を切り裂く痛みに襲われた







それは、ショウタの母親だった



はぐれたショウタを探していたら、俺たち2人がいたのを目撃したのであろう






母が子を守る



そんな当たり前の本能で、俺は死を覚悟した







 






しかし、ここで死んだのはショウタの母親だった






 





「リョウタくん!」


『ヒカ、ル…の、お父さんっ』





狩人であるヒカルのお父さんは、俺を守るために母狼を撃ち殺した







 





「おかあさん!おかあさん!!」


『ショ…ゥタ』






意識が遠のく中、母親に縋り付いて泣くショウタから


目を逸らすことが出来なかった







 






その後、意識が回復して話を聞いたところ




「子供の狼は、他の狼に連れられて逃げた」らしい







 






『ショウタ…』




1人呟いたところで、誰にも届かない



まして1番届いて欲しい人になんて、絶対に届くはずがない







 





俺は守りたかったのに、側に居てあげたかったのに




ショウタの最も大切な存在を奪った





 



守るどころか傷つけて




そんな俺に “ 翔太 ” の側に居る資格なんて、ない









 







なぁ、そうだろ?





ショウタ…

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設定タグ:SnowMan , めめこじ , mmkj   
作品ジャンル:恋愛
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スメシ - スーさん» コメントありがとうございます。ストーリーに関しては結構練っていまして、そのようなお言葉を貰えてとても嬉しいです!応援、とても力になります!これからも楽しんでいただけるように精進いたします!! (2021年3月18日 11時) (レス) id: 2e3f726332 (このIDを非表示/違反報告)
スー - 今日このお話を初めて読ませていただいたのですが、ストーリーが素晴らしくて、とっても続きが気になりました…!!応援させていただきますので、これからも更新頑張ってください!! (2021年3月17日 19時) (レス) id: 8ab2b29f53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スメシ | 作成日時:2021年3月8日 21時

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