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「こっち来んなバケモノ」
「おい、あの子だ」
「知ってるよ。この辺で知らない人なんていないさ」
周りの冷たい目を無視して歩く。
「なあお嬢ちゃん、あの話本当か？…怪我しねぇってヤツ」
「おいおい嘘に決まってんだろ？そんなヤツ本当にいたらそれこそバケモノだ…っておい、嬢ちゃん」
「うっるさいな」
ボソッと呟きながら近づいてきた手を払いのけ、走り出す。
ゴッ
「なんだなんだ」
「おいすごい音したぞ」
道に落ちていた石につまずき、ちょうど目の前にあったベンチに頭を打つ。
「君大丈夫か！？血が出てる…」
貴「…ッたあ…あ、大丈夫です。ありがとう」
作り笑いをし、またすぐ走り出す。
さっき出来た傷は蒸気とともに消え始め、さっきの事などなかったかのように元に戻っていった。
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作者名：メイ | 作成日時：2019年8月20日 5時
