40, 驚かない ページ44
神楽と新八が居なくなり少し落ち着いたところで、銀時は
ほらよ、とコップに注いだいちご牛乳を出してくれた。
礼を言って受け取り、隣に座り込んだ定春を撫でながら一口飲む。
すると、銀時が僕の方をじっと見つめている事に気付いた。
『…銀時？』
銀「…なぁ、1つ聞きてぇ事があんだがよ。」
普段と同じ気怠そうな顔。普段と同じ気怠そうな声。
だがその眼は、普段は無い光を宿して、真っ直ぐに僕を捉えている。
それはまるで、嘘を吐く事を許さないと言っている様で。
銀「………お前、【魅化月】の〈狐〉だろ。」
銀時が放った言葉に、僕は不思議と驚かなかった。
口元に笑みを湛え、銀時の眼をしっかりと見つめ返す。
『……じゃあ仮に、僕が〈狐〉だったとして。お前は何でそれに気付いた？」
銀時は少し考える様に視線を落としてから、ゆっくりと、しかしはっきりと言葉を紡いでいった。
銀「断絶した筈の家の苗字を持ってる時点で引っ掛かったさ。それに、こんな時期に新人が入って
くる事なんざほぼ無ぇ。」
『…他には？』
銀「初めて会った団子屋で、お前は左脇に刀を置いていた。そして俺がお前に声を掛けた時、」
…お前は僅かだが、右足を前に出しただろ、と。
右利きの剣士が左に刀を置き、右足を前に出す。
そのまま刀を取り、前に出した右足で地面を蹴って斬りかかれば…相手は絶対に避けられない。
この技は暗殺術の1つだ。油断している相手を斬るための高度な技術。
凡人なら気付く筈も無い小さな変化を、こいつは見逃していなかったらしい。
銀「それともう1つ。お前が何で俺を “旦那” と呼ばなかったのか、だ。」
『………あぁ…そういう事か。』
その言葉だけで、僕は銀時の言いたい事が分かった。
こいつは、知っていたのだ。
【魅化月】では
だから、僕が【魅化月】の構成員ではないかと疑った。そして僕の行動を見て確信したのだ。
______僕が、
それでも僕は驚かない。寧ろ「そりゃそうか」と納得した。
何故なら、僕はこの男の正体を知っているから。
僕は銀時を見据えたまま、笑みを深めた。
『さすが………さすがは〈
ーーーーーー
『今日十四郎の誕生日だね。おめでと。』
土「…このシリアスな感じのシーンでそれ言うか？」
ちなみに明日5月6日は作者まめだぬきの誕生日です(笑)
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林檎はいつまでも…… - やっぱ面白いなぁ。 (2018年5月17日 19時) (
レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - レモンさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2018年5月14日 8時) (レス) id: c713ce536a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 凄く面白い話なので、更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月14日 0時) (レス) id: c6018d0b79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - 白桃餅子さん» ありがとうございます！めっちゃ頑張るのでこれからもどうぞご贔屓に笑 (2018年5月6日 18時) (レス) id: 200b58f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - お誕生日おめでとう！ これからも頑張ってください！ (2018年5月6日 13時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだぬき | 作成日時：2017年12月21日 21時
