36, 何の話？ ページ40
翌日の昼頃、屯所にAが目を覚ましたという連絡が入った。
近藤さん、土方さんと共に病室へと急ぐと、丁度Aと医者が話していた。
近「A！大丈夫だったか⁉」
土「ったく、手間掛けさせやがって…。」
心配そうに声を掛ける近藤さんと、深い溜め息を吐く土方さん。
そんな2人をAは不思議そうな顔で見つめながら口を開く。
……その発言は、その場に居た全員を凍りつかせた。
『なぁ、昨日何かあったのか？』
小さく首を傾げながら言うAに、俺は思わず「は？」と声を漏らした。
沖「そいつぁ俺たちの台詞でさァ。オメー、昨日の夜あの屋敷で何してたんでィ？」
『ちょ、ちょっと待った！昨日の夜？屋敷？一体何の話だよ…？』
本当に分からないという顔で眉をひそめるそいつは、嘘を吐いている様には見えなくて。
近「A……お前まさか、昨日の事を何も覚えてないのか…？」
恐る恐る聞く近藤さんに、Aは微妙な表情を浮かべて頷く。
『覚えてないというか、昨日はいつも通り書類整理を終わらせて、布団で寝たと思うけど…。』
沖「それ以外に昨日の事は覚えてないのかィ？」
『悪ぃけど何にも……昨日の夜、何があった？何で僕はこんな怪我してるんだ？』
自分の肩と足を指差して言うAに、俺たちが知っている限りの事を話した。
話が終わった後もAはしばらく考え込んでいたが、やはり何も思い出せないようだ。
医者曰く、脳に異常は無いらしいのだが、もしかしたら何かしらの
強い刺激を受け、その影響で記憶が抜けてしまったのかもしれない、との事だった。
医「ひとまず怪我が治るまでは入院して頂きます。退院してからも1週間程は安静に…。」
俺たちは医者の話を聞いた後、少しだけAと話してから屯所に戻った。
あいつの記憶が無ければ、昨夜の事を知る術は無い。
何故あいつがあの屋敷に居たのかも、何故屋敷が燃えたのかも。
…………何故、あんな怯えきった眼をしていたのかも。
近「……一体、あいつに何があったってんだ…？」
局長室に集まった俺たちは、ただ頭を抱える事しか出来ない。
土「屋敷の方も調べてはみたが、何せほとんど燃えちまってる。残ってんのは灰だけだ。」
沖「あいつ本人も、嘘吐いてる様には見えやせんでしたしねィ。」
俺の言葉に、近藤さんはうーんと顔を顰めて腕を組む。
まさに “八方塞がり” 。
手の出しようのないこの状況に、俺たちはもう一度唸った。
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林檎はいつまでも…… - やっぱ面白いなぁ。 (2018年5月17日 19時) (
レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - レモンさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2018年5月14日 8時) (レス) id: c713ce536a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 凄く面白い話なので、更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月14日 0時) (レス) id: c6018d0b79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - 白桃餅子さん» ありがとうございます！めっちゃ頑張るのでこれからもどうぞご贔屓に笑 (2018年5月6日 18時) (レス) id: 200b58f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - お誕生日おめでとう！ これからも頑張ってください！ (2018年5月6日 13時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだぬき | 作成日時：2017年12月21日 21時
