10, 面子最悪 ページ12
山「別に良いけど…何で?」
『だってお前32歳だろ?流石に呼び捨ては気が引けるからさ。』
山「…ホント、よく知ってるね…。」
『まぁな。
敵の情報は多く知っといた方が有利だから、と。
そう言う彼の瞳には、何処か悔しげな色が浮かんでいた様に見えた。
だが、彼の呟きで一気に現実に引き戻される。
『そういや僕ら、完全に見回りサボってるよな。』
山「あ…。」
時計を見れば、今は11時35分。見回りに出発してからもう2時間以上経っている。
普段は1時間ぐらいで切り上げて帰るのが、まさかの1時間オーバー。
『おまけに
山「面子最悪…!」
『ヤバい、というか絶対バレるよな、サボってんの。』
沖「こりゃ間違い無く説教コースだねィ。」
3人の間を、冷たい風が吹きていく。それと同時に頭の中に
ああ、これはもう死ぬやつだ、と確信した瞬間、誰かの携帯が突然鳴り響いた。
鳴っていたのはAくんの携帯。画面に映る発信源は……[十四郎]。
無言で視線を向けられ、反射的に目を逸らす。沖田隊長もアイマスクをもう一度着け、
完全に助ける気ゼロだ。彼はじっとりと俺たちを見つめたまま通話ボタンを押した。
『…何?見回り?してるよ。帰って来い?何でまた…。』
Aくんは渋い表情で少し会話をした後、溜め息と共に電話を切った。
『僕だけ今すぐ帰って来いってさ。退兄たちと一緒に居る事は言ってないからバレなかったよ。』
山「え、探せとか言われなかったの?」
『ほっとけって。どうせザキはあんぱんだし総悟はサボりだろうからーとか何とか。』
山「待って、ザキはあんぱんって何?」
『ま、そういう事だから僕は戻るわ。』
怒られんの面倒くせぇな…と呟き、彼は公園を出て行った。
沖「…元殺し屋と喋った感想は?」
山「副長たちが言ってた通り、殺し屋とは思えないですね。」
沖「だろうな。あいつはどうにも読めねぇや。」
山「はい。あ、そういや隊士たちが言ってたんですが…。」
Aくんは、この屯所に来てからずっと、誰も居ない夜中に風呂に入っているという。
何故かは分からないが、未だに【魅化月】の人間と繋がっているのではという声も挙がっている。
沖「へーぇ…。」
隊長は少し黙り込んだあと、小さな黒い笑みを浮かべた。
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林檎はいつまでも…… - やっぱ面白いなぁ。 (2018年5月17日 19時) (レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - レモンさん» コメントありがとうございます!面白いと言っていただけてとても嬉しいです!これからもよろしくお願いします♪ (2018年5月14日 8時) (レス) id: c713ce536a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 凄く面白い話なので、更新頑張ってください!応援してます! (2018年5月14日 0時) (レス) id: c6018d0b79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - 白桃餅子さん» ありがとうございます!めっちゃ頑張るのでこれからもどうぞご贔屓に笑 (2018年5月6日 18時) (レス) id: 200b58f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - お誕生日おめでとう! これからも頑張ってください! (2018年5月6日 13時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめだぬき | 作成日時:2017年12月21日 21時