9, 良い度胸 ページ11
到着した公園の奥、1つだけ置かれたベンチの上に、沖田隊長は居た。
おかしなアイマスクを着けて背もたれに身を預けるその人は、悪い意味で
目立ってしまっていた。周りの人の視線が痛くは無いのだろうか。
Aくんの方を見ると、見た事も無いような冷たい目で隊長を見据えていた。
『うわぁホントに居やがったよ…。』
山「…Aくん、目が怖い。」
彼はふぅぅ…と深い溜め息を吐くと、袴の袖から1本の短刀を取り出した。
山「ちょ、何するつもr」
『大丈夫大丈夫、ちょっと
山「ちょっと殺るって何⁈」
全然大丈夫じゃないよね⁈ と叫ぶが、時既に遅し。
一瞬で隊長の前まで迫ると、持っていた短刀を一気に振り下ろした。
無防備に寝ていた隊長の胸に彼の短刀がぐさりと刺さる……
……事は無く。
沖「人様の安眠妨害するたぁ良い度胸じゃねぇかィ。」
そう言いながら着けていたアイマスクをくいっと上げ、お得意のドSスマイルを浮かべる隊長。
そんな隊長の手は、Aくんの腕をしっかりと掴んで攻撃を止めていた。
『人様に自分の仕事押し付けて寝不足にさせてる奴の方が良い度胸持ってると思うけど？』
腕を掴まれたまま睨み返すAくんを、沖田隊長はニヤニヤと見つめる。
こんな所で喧嘩でもおっ始められたら恐らくこの2人はブレーキが効かなくなるだろう。
そう判断した俺は、まぁまぁと言いながら2人を引き離す。
不満そうに頬を膨らませるAくんに苦笑いを
返していると、沖田隊長がじっと見つめている事に気付く。
山「どうかしました？」
沖「…オメーら、兄弟みてぇだねィ。」
山「『は？』」
急にどうしたと思いながらAくんに視線を向けると、彼も同様に首を傾げている。
『何で急に？』
沖「髪の色も一緒だし、あと…雰囲気？」
『え、僕こんな地味⁈』
山「じ、地味…。」
ぐさっという音と共に、何かが刺さる。半泣きで胸を押さえていると、
それに気付いた彼はあわあわと焦り出す。必死で謝ってくるAくんを
沖田隊長がそれでィ、と言ってピッと指差した。
沖「気弱な兄貴とやんちゃな弟っていう雰囲気が出てるんでさァ。」
『…あ、雰囲気ってそういう事。』
何だよ…と呟いた後、彼は何か思い付いた様な顔で手を打った。
『じゃあ、お前の呼び方 “
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
林檎はいつまでも…… - やっぱ面白いなぁ。 (2018年5月17日 19時) (
レス) id: 0403755de3 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - レモンさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけてとても嬉しいです！これからもよろしくお願いします♪ (2018年5月14日 8時) (レス) id: c713ce536a (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 凄く面白い話なので、更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月14日 0時) (レス) id: c6018d0b79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだぬき - 白桃餅子さん» ありがとうございます！めっちゃ頑張るのでこれからもどうぞご贔屓に笑 (2018年5月6日 18時) (レス) id: 200b58f8b6 (このIDを非表示/違反報告)
白桃餅子 - お誕生日おめでとう！ これからも頑張ってください！ (2018年5月6日 13時) (レス) id: 7a0c5e56cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめだぬき | 作成日時：2017年12月21日 21時
