組み分け ページ6
扉が開き、厳格聡明であろう魔女…ミネルバ・マクゴナガルが現れる。
そのまま小部屋に新入生たちは案内され、寄り添うように立っていた。
その中でAはすごく注目の的になっていた。
その浮世離れした美しさは、生徒の気を引くには十分すぎたようだ。
「ホグワーツ入学おめでとう。新入生の歓迎会が間もなく始まります。
大広間の席に着く前に皆さんの入る寮を決めなくてはなりません。」
「寮の組み分けはとても大事な儀式です。ホグワーツにいる間、寮生が学校での皆さんの家族のようなものです。」
「寮は四つあります。グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです。
それぞれ輝かしい歴史があって偉大な魔女や魔法使いが卒業しました。」
「ホグワーツに居るあいだ、皆さんの良い行ないは、自分の属する寮の得点になりますし、
反対に規則に違反した場合には寮の減点になります。」
「学年末には、最高得点の寮に大変名誉ある寮杯が与えられます。
どの寮に入るにしても、皆さん一人ひとりが寮にとって誇りとなるよう望みます。」
「間もなく、組分けの儀式がはじまります。待っているあいだ、出来るだけ身なりを整えておきなさい。」
しばらくして、大広間に案内される。そこには、夢のような景色が広がっていた。
マクゴナガル先生は一年生を上座のテーブルのところまで引率し、先生方に背を向ける格好で並ばせた。
そして、一年生の前にはスツールと、ぼろぼろの、とんがり帽子が置かれる。
そして帽子は自分の仕事と各寮の紹介を歌で行うと、生徒たちは一人ずつ帽子を被り、組み分けを受け始めた。
「エバンズ・リリー！」彼女の頭に帽子が触れるか触れないかのタイミングで帽子は叫ぶ。
「グリフィンドール！」
「スネイプ・セブルス！」こちらもすぐに帽子は声をあげた。
「スリザリン！」
「ブラック・シリウス！」ブラック家もスリザリンしかいない家系。
「……グリフィンドール！」Aは今回ばかりは一瞬驚きの表情になった。
「ポッター・ジェームズ！」ジェームズの組み分けも一瞬。
「グリフィンドール！」
「ラヴ・A！」ラヴ家と聞いて大広間は水を打ったように静かになる。
私は記憶の箱を閉じ、スリザリン以外になりたいと願いながら、ただ座っていた。
６分半の時間を要し、帽子は自信たっぷりに叫ぶ。
「グリフィンドール!」
再び大広間はざわめきを取り戻した。
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作者名：リアノ | 作成日時：2022年12月12日 11時
