ハロウィン２ ページ11
「ねえ、A。私の事、「ご主人様」って呼んでみて。」
「？」
「メイドは雇い主を「ご主人様」って呼ぶのよ。」
「…ご主人様、何か、あります、か？」Aは途切れ途切れ、俯きながら言った。
「(⋈◍＞◡＜◍)。✧♡」通訳;可愛い〜！可愛い〜！可愛すぎる！！
「リリー、大丈夫？」初めて見る顔をしていたリリーにAは心配する。
「大丈夫よ。A、すごいわね。いろんな人が貴方の事見てるわ。」
「やっぱり目立ってるじゃん…リリー、これで何かあったら責任取ってよ…。」
悪目立ちじゃないし、どんな格好をしていても…なんならいつも目立ってる、という言葉をリリーは飲み込んだ。
日も暮れて、とうとうハロウィンムードのピークを迎えた。
城中ハロウィンカラーになって、カボチャのにおいが満ちる。
「A、今日はハロウィンダンスパーティーなのよ。着替える？」
「何に？」Aはこれ以上目立つ服は着たくないと思っていた。
「ドレス。A、貴女ドレスは持っているでしょう？」
「もちろん。」
二人で部屋に戻って着替える。
「ねえ、待って。いい事思いついたわ！」リリーに言われ、Aの動きが止まる。
「どうしたの？」
「Aの本来の姿そのままで出るっていうのは？」
「……良いんだけど。ダンブルドア先生にはバレちゃうかもね。でも、良いわ。自分を隠すのは毒だもの。」
そしてAは出たばかりの月に祈る。間もなく、光が部屋に満ち、Aの素晴らしく美しい姿が現れる。
ただ、前と違うのは純白のドレスは長いものになっていると言う事。
どちらにせよ美しい姿だった。
「A、羽もそのままでいいわ。仮装の一種だと思うでしょう、周りの人は。」
今度は躊躇う事無くAは大広間へと向かう。Aの姿を見る者全てが彼女を振り返る事にも気づかずに。
踊り疲れたAはジェームズたちのもとに向かった。
彼らは片っ端から申し込みを断っているようだった。
「お、A〜！」ジェームズは私を見つけると大きく手を振る。
(ちなみに、リリーはレイブンクローの3年生と楽しそうに踊っている。)
「仮装…リアルすぎるだろ。」シリウスに、バレている…？Aは少し動揺した。
「………そうね。ねえ、パーティーが終わったら男子寮にお邪魔しても？」
「もちろん。だよね？」リーマスの「だよね？」には有無を言わせぬ強さがありましたとさ。
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作者名：リアノ | 作成日時：2022年12月12日 11時
