W.box (ページ45)

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初めての夜　虹色編　赤ページ45

付き合い出して、2人で過ごす初めての夜。

ふざけるんはめっちゃ得意なんやけど…
そういう雰囲気に持って行くんオレめちゃくちゃ苦手。
素の自分を見られるのは恥ずかしい。

たまたまお互い次の日が休みで泊まることになった。

風呂から出てきたAを見たら、ちょっとだけ現実的になった空気に耐えられなくなって目の前の水を飲み干した。

「眠くなってきた、先に寝てて良い？」

目がとろーんとしてるから本気で寝るつもりなんやって、ちょっとガッカリしてる自分。

「ええよ」

「ベッド半分お借りします」

そう言ってペタペタ歩く後ろ姿を見送った。
1人になった部屋がなんか虚しくて、テレビとかを消してオレも寝室に行った。

ベッドの隅っこ、小さく丸まってるそれを布団ごと抱きしめた。

「ん、…寝る？」

「起こしに来た」

「早くない？」

ふふふってこもった笑い声。

「起きてかわいいしげちゃんの愛情受け止めてみる気ない？」

「なにそれ？ダサいね(笑)」

「ダサい言うな！最高の決め台詞やろ(笑)」

「受け止めてあげる」

そう言って、かわいいキスをしてくれた。

真剣になってしまうのが恥ずかしくて、途中何回かふざけて怒られてしまったけど、
それはそれはオレらしさを受け止めてもらえた初めての夜。

終わり