W.box (ページ33)

今日:24 hit、昨日:2 hit、合計:47,303 hit

嘘はウソをよぶ　続編ページ33

会社の飲み会だから、結構な人数が集まった。
オレの隣にはしげが座っていて、酔ったのか彼女との惚気話。
その話を聞いてても全然気分は悪くなくて、素直に幸せそうで良かったって思えた。

少し離れた席に座るAの周りには明らかに狙ってますって感じの男が何人かいて、酔っ払ってさらに無防備になってるから男たちは嬉しそうにしていた。

あんまり飲めないから、オレはそこまで酔うこともなく…トイレに立った。

「あ、神ちゃん！トイレ？」

「そう」

「あっちだよ」

フワフワ歩くAが心配になり、通り過ぎる瞬間に腕をつかんで止めた。

「どうしたの？」

「お前飲み過ぎ」

「そんなでもないよ」

「周りの男、誘ってんの？」

「なにそれ？どういう意味？」

「周りのヤツら、そういう目で見てんで」

「考え過ぎだし」

危機感のない返答にムカついて…
空いて個室にAを連れて行き、キスをした。
嫌がるように抵抗するから、なんか悔しくてキスを深くした。

思いっきり胸を押され距離ができた。

「そういうこと考えてんの自分じゃん」

「……せやな」

「最低」

そう言って走って行った。

オレ、なにがしたいんやろ？
自分の頭の中が全く整理できてなくて意味分からない。

周りに男がいて…
その中の誰かにAは恋をして、あの夜オレに見せた顔をいつか誰かに見せる……

オレのことなんてもう好きじゃないしな……

全部分かってることなんだけど…
分かってるけど理解できてないような、そんなわけわからん感情がずっとあった。