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初めての夜　虹色編　紫ページ42

付き合い出して、2人で過ごす初めての夜。

「座ってて、なんか持って来るわ」

歩き出す時に机に足をぶつけた。

「痛っ、いたっ」

「大丈夫？」

「平気、平気、座ってて」

「私がやるよ」

「大丈夫やから」

小競り合いしてたら自然と縮まる距離。

「あっ…、近いな」

急に背を向けたから不思議に思って、顔を覗きこむ。

「濱ちゃん、緊張してない？」

覗きこんだ私の目を見ようとしない。

「…緊張するやろ」

「早くない？まだ何もしてないよ(笑)」

「そうなんやけど…考えちゃうやん、2人でおったら」

「うん」

「うんって…オレが何考えてるか分かるん？」

「やらしいことしようとしてるって顔に書いてある」

「正解！」

「する？」

「する、します」

「緊張されると私も緊張するからやめて」

「そうなん？A、普通やん」

「普通っていうか、そういうことになるのは素直に嬉しいって思うよ」

「めっちゃかわいいこと言う」

「濱ちゃんは？したくないの？」

「したいに決まってますやん。
あ、変な意味ちゃうで！欲求のためやなくて、Aを知りたいっていう愛情やからな」

テンパって言い訳みたいになってるし。
別に最低とか思ってないのに。

「ここにいたら何にもできないよ」

キッチンに立つ2人。
そう言うと、私の手を引き寝室に向かう。

「一生、大切にします」

ベッドに着いたらプロポーズみたいな発言をした。
それはそれは大切にされた初めての夜。

終わり