9話 ページ10
柊「さぁ、Aと少しお話をしようか。ほら、こっちおいで?」
と、先生は手招きをして美術室準備室へと案内する。
準備室に入ると、以前入った時とまるで違う雰囲気がたちこめていた。
画材も勿論あるが、それより目立つのは薄暗い室内に太陽のように灯りを照らす沢山のモニターだ。
モニターをよく見ようとすると
柊「あ、荷物ありがとう。そこに置いてていいよ。」
『あ…はい。』
先生に邪魔をされた。
柊「さてと、Aには聞きたいことがある。こっちに座りなさい。」
用意されたのは美術で使う少し古びた丸椅子が向かいあわせで置いてあった。
言われた通りに丸椅子に座ると、先生と向かい合わせになり、以外と距離の短さに胸がドキリとした。
柊「景山澪奈とは、どういう関係だった?」
『ぇ、私は澪奈ちゃんのこと友達だと思ってます…』
柊「そうか…でもAは以前、諏訪と行動を共にしていたよな?」
先生が担任になる前のことまで知っているのに冷や汗を感じた。
『なんで、知っているんですか?』
柊「諏訪がAのことを慕っていたことはよくわかる。諏訪はわかりやすいからな。
Aを避けるようになったのも…ね?」
初めて先生の笑顔が怖いと感じた。
『…私のせいなんです。私は先生が思うような優しい人ではありません。偽善者なんです。唯月にもそう言われました。』
柊「ほー、偽善者ねぇ…」
『私、人に嫌われたくないんです。唯月には嫌われちゃったけど、クラスの皆と言い合いなんてものはしたくないし……いい子ちゃんに振る舞ってました。広く浅くなんです。私の人生…』
先生は無表情でじーっと私を見る。
柊「俺に対しても、広く浅くの関係の1部に過ぎていないってこと?」
『いえ!先生とは深く関わっているつもりです!…柊先生は他の先生とはなんか違って、私はそれが好きで…』
柊「………そうか。ありがとうA。」
『あ、はい………』
私は何を言っているんだ。先生に対して告白まがいと言う言葉をいってしまった。
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玲亜(プロフ) - お久しぶりです!わたしもTVer見て、再熱致しました笑更新応援してます!! (6月15日 7時) (レス) @page28 id: d400c2c0a7 (このIDを非表示/違反報告)
夏稀 - とても面白かったです!続きが気になりすぎます!更新頑張ってください! (2019年1月14日 16時) (レス) id: 2c5245a4fc (このIDを非表示/違反報告)
雫 - とても面白いかったです!続きが気になるので更新頑張ってください! (2019年1月14日 14時) (レス) id: 52b2f1d4d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちょん - これからも楽しみにしてます! (2019年1月13日 18時) (レス) id: da8927da21 (このIDを非表示/違反報告)
ちょん - とても面白いです! (2019年1月13日 18時) (レス) id: da8927da21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めみ。 | 作成日時:2019年1月9日 18時