迷宮ラビリンス (ページ4)

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あっという間に午前中は終わり、お昼休憩。

松川さんは社食らしく及川さんと国見さんと一緒に食堂へと向かった。私も誘ってもらったのだが谷地さんと食べることを伝え、気を使って貰ったのに申し訳ないがお断りした。

松川さんが「今度おいしいランチしに行こうね」と言って下さったので「楽しみにしています」と返事をして今度こそ谷地さんに連絡を入れる。

「市川さん！」

　どうやら考えていたことは同じようで営業部のフロアに谷地さんがわざわざ迎えに来てくれてカバンからお弁当を持ってフロアから出る。

どこで食べてもいいとのことだったので天気もいいので外に出て会社の近くにある公園のベンチで食べることにした。

膝の上にお弁当を置いてほぼ冷凍食品を詰めたお弁当を口に入れる。

「そういえば、谷地さんはどこに配属されたの？」
「私は企画部！」

谷地さんは初日から先輩と共に企画を考えていたそうで頭が痛い、なんて呟いていた。
そんな谷地さんにチョコレートを一粒あげるとものすごく喜んでくれた。
なぜか手を合わして拝まれて流石にその行動にはビックリ。

「谷地さん、なんだか妹みたいでかわいい」
「いやいや、そんな…。その、同期だし、市川さんのこと名前で呼んでもいい…？」
「うん、私も仁花って呼ぶね」
「うん！改めてこれからよろしくね」
「こちらこそ、よろしくね、仁花」

　そのあともお互いのことを話して社食のオムライスがおいしいと仁花が先輩から聞いたようで明日は社食にしようと決めて、会社に戻った。

デスクについてから、まだ時間に余裕があったので午前中にやり切れなかった資料の作成をやり始める。

時間ぴったりに戻ってきた松川さん。
隣に座った松川さんからほんのり苦い匂いがした。