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『まじでって?』
「…」
『だって翔太が言ったんじゃん、関係ないって』
「……じゃあ、Aは?」
『…え?』
「Aはどう思うの?」






真っ直ぐ私を見つめる。
…私、は?






なんて言えばいいのかわからなくて黙っていると、
携帯の着信音が聞こえた。

ポケットから携帯を取り出した翔太が電話に出る。








「もしもし…え?あーまじ?……え、今?」







チラッと私を見て少し考える翔太。

…誰だろうこの時間に。
女の子かな。例の一緒にいた子。





「いや別に…あーわかったわかった、行くから。
うん。え、今どこ?」





…え。
行くって、今から?



思わず翔太の方を見る。
困った顔で少しだけ笑った顔を見てキュ、と胸が苦しくなった。






…そんな顔しないでよ。
私を見て笑ってよ。







「ん、近くなったら連絡する。じゃ」





そう言って電話を切る。
私の方を見て「ごめん電話」と謝った。


そのまま立ち上がって




「悪いんだけどちょっと出ないとダメになっちゃって、
Aどうする?」
『、え、』
「帰るんだったら行きに送ってくけど」




って翔太。




『…どれくらいで帰ってくるの?』
「いやまぁ、そのうち帰ってくるだろうけど」




どうする?って。







その子のところに行くの?
あの笑顔を向けた女の子のところに。

私じゃない、他の子のところに。








「…A?」








気づいたら翔太の服の裾を引っ張っていた。





…別に、翔太が誰のところに行ったって関係ない。
1ミリも関係ないし、何の問題もない。







『…やだ、』







だけど、関係ないけど、私は嫌だ。
翔太が私以外の子のところに行くのは、嫌だ。







「え、A、」
『…行かないで』



 



初めて。
生まれて初めて怖いと思った。

翔太を失うのが、怖い。









『……私の隣にいてよ…』









その言葉と一緒に涙が零れる。




都合がいいから一緒にいて欲しいんじゃない。
翔太じゃないと、ダメだ。








" Aはどう思うの? "








…私は、翔太の何かになりたい。

一緒にいれる理由が欲しい。
曖昧な関係に、名前が欲しい。








『…翔太の隣にいれる、関係が欲しい、っ』








袖で涙を拭いながら、そう答えた。

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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした! (2021年11月14日 8時) (レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 23時

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