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「…ふは、そっか」
『……え』
私の泣き顔を見て、翔太がニヤッと笑った。
携帯を取り出して耳に当てる。
「あ、康二？ごめんやっぱ行けないわ。うん。
いやごめんて。…うん、明日で。はいはい、じゃ」
そう言って電話を切った。
満足そうに私を見下ろす。
「女だと思ったの？」
『……』
「なら残念、康二でした」
あまりの解答にポカンとしてると、「お前携帯忘れたろ」って言われて『…あ』と思い出す。
確かに出る時携帯を持った記憶がない。
「だから届けるって言ってたけど、明日になったから」
『……あ、なるほど、』
「で、続きだけど」
1回座ってってさっきの位置に座らされて、「ちょっと待って」ってクローゼットを開いた。
「ついでにネタバラシ」
と言いながら、1つの箱を取り出す。
「はい」
『…え、』
「開けて」
そう言われて、恐る恐る蓋を開ける。
『……え、これ』
出てきたのは、ヒールのついたローファーだった。
前に私が悩んで諦めたやつ。
「誕生日」
『え？』
「もうすぐでしょ？だから」
『…あ』
そう言われて、自分の誕生日が近くなっていることを思い出す。
震えながらローファーを片方手に取った。
前見てたのと全く同じ。
「それ探してたら、何か同じ学校って言ってた女が勝手に着いてきた」
話の続きに顔を上げる。
あまりの展開に少し混乱してきた。
「誰？って思ったけど、店の場所わかんなかったから案内してもらって。多分そこ見られた」
『……そ、っか、』
「彼女でも何でもない」
その言葉に、一気に心が軽くなった。
…そうだったんだ。
よかった。
「その靴で合ってるよね？」
『、え、あ、』
ホッとしてるところで、
心配そうに眉を寄せて確認される。
慌ててもう1度靴に目を落として、何度も頷いた。
……あんな一瞬だったのに、覚えててくれたんだ。
『……ありがとう…、』
突然のことに感情が追いつかない。
嬉しいのか、ホッとしたのか、申し訳なさなのか、
多分全部の感情からまた涙が出てきた。
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かな(プロフ) - 一気読みしました!とっても素敵なお話でした！ (2021年11月14日 8時) (
レス) @page33 id: 22fe685296 (このIDを非表示/違反報告)
まゆみ(プロフ) - ところどころ、名前が変換されない所がありました。 (2021年11月13日 21時) (レス) @page34 id: 15fffef845 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2021年11月12日 23時
