17 ページ17
ヨロヨロになってコースターを降りて近くにあったベンチに座る。
項垂れる私の背中をさすりながら、ギャーギャー文句を言うふっか。
「手ギュってするところまではね、あー可愛いなって思えたわけよ。でもそこで爪立てるか!?何!?猫!?猫なの!?痛いよ!?」
『……怖くて…』
ごめんって言うと、「まぁ面白かったけどね」と笑うふっか。
「休憩しよっか。何か買ってくるけど欲しいのある?」
『私も行く…』
「いいって休んでなよ」
『もう平気』
一緒がいい。
そう言うとヘラッと笑って、
「じゃあゆっくり行こ」
と手を差し伸べられる。
その手を取ってベンチから立ち上がった。
何か食う?ってキョロキョロしてる彼の横顔を見て、好きだなぁって改めて思った。
.
それから色々乗り物乗ったり写真撮ったりして遊び尽くして、気づいたら夕方になってた。
「A、最後あれ」
指差されたのは、園内で1番目立っていた観覧車。
『ふっか観覧車とか興味ないと思ってた』
「大トリはあれでしょ」
閉園間際だからかあまり並ばずに乗ることができた。
扉が閉まって地上から切り離される。
『…遅くない?』
「それ言っちゃおしまい」
15分かけて一周するんだわって笑われる。
15分。
密室で15分2人きり。
…ダメだ、間と心臓が持つかわからない。
窓の外見て適当に話してたら、4分の1くらい上ったところで
「てかそっち側行っていい?」
ってふっか。
『え、狭くない?』
「いや余裕しかないだろ」
『いいじゃん対面で』
「隣のがいい」
ふっかが立ち上がると、ゴンドラが大きく揺れた。
『え、待ってふっかストップ!』
「何でだよ笑」
『めっちゃ揺れてるもん!』
「え?揺れてる?」
『ねえわざとやめて!落ちる!』
叫ぶ私を見て笑いながらわざと足踏みするふっか。
地上だったら頭引っ叩いてる。
『ねえふっか!』
「ごめんごめん笑」
私の隣にふっかが座ると、さっきより少し大きくゴンドラが揺れた。
無理無理無理、しぬしぬ。
怖すぎて思わずふっかにしがみつく。
「ははっ、大胆だね〜A」
『…ふっか嫌い』
「え、やめてやめて」
怒らないでって背中に腕がまわる。
やっと揺れがおさまって離れようとすると、グッと引き寄せられた。
顔を上げると、私を見て優しく笑うふっか。
…何か違う。
甘い表情に心臓が鳴った。
981人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
スノ姫 - 良かったです。素敵でした。感動して泣けて来そうでした。1ヶ月、彼女のフリが最終的には本当の恋人になるですから、それ位に両想いで好きだったって事ですよね。いいですね。こう言う恋。 (2021年11月14日 17時) (レス) @page40 id: 61c754dd4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:めい | 作成日時:2021年11月12日 21時