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" 本当にいいの？ "って、いつかの深澤くんの声。
" お前まだ康二のこと、 "って、いつかの翔太の声。
待ってよ。
そんなこと言わないで。
「もう1度、付き合ってくれませんか」
ダメだよ。
無理だよ。
だって私は翔太と付き合ってるし、
もう康二くんとは終わりだって、…そう、決めて。
『…、』
「…A？」
……なのに、何で私は。
「ちょ、A、」
『………ちが、っ…』
何で私は、ごめんって言葉の前に涙が出てしまうんだろう。
もう何も思いたくないのに。
康二くんのことで、泣きたくも、笑いたくも、ドキドキしたくもないのに。
ぐちゃぐちゃだ。
自分が何をどうしたいのか全然わからない。
「え、A、ごめん俺、」
『…ごめ……ちがうの、』
自分でも、何で泣いてるのかわからないの。
両手で顔を覆う。
" 忘れるために付き合うんでもいいよ "
私には翔太がいて、
私は今あの頃より笑えてて、笑えてるはずで、
康二くんといた時は苦しくて、不安で、悲しくて、
…だけど楽しくて、
私はずっと笑ってて、康二くんの隣で笑ってて、
だけど、私は、今、
「ストップ」
突然右腕を誰かに掴まれた。
驚いて顔を上げると、険しい表情で康二くんを睨む翔太がいた。
「…何泣かせてんだよ」
『っ、ちが、翔太、わたしが』
嗚咽で上手く喋れない。
違う。
康二くんじゃなくて、私が勝手に泣いただけで。
途切れ途切れでそう伝える私の肩をさすりながら、
「わかったから息吸え」って翔太。
「……何でしょっぴーおるん」
「彼氏だから」
そう言って私を立たせて、空いた片手で私の荷物を持つ。
「康二のせいじゃないことはわかったけど、今日はもうここでやめてあげて」
「…でも、A、」
「…こんなに泣いてんだから」
ごめん、康二くん。
わざわざ来てくれたのに突然こんなことになって。
そう言いたいのに声が出ない。
涙が止まらなくて、顔を上げられない。
「歩ける？」って優しい声で翔太に言われて、
手で目を押さえながら頷いた。
肩を支えてくれる手が温かくて、そんなこと思ってる場合じゃないのにひどく安心した。
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noa(プロフ) - 最後翔太くんを選ぶ展開最高です！感動しました！ (2022年10月24日 20時) (
レス) @page40 id: 17a3519150 (このIDを非表示/違反報告)
ぴか(プロフ) - めっちゃ泣きました‼すごいよかったです‼ (2022年10月24日 11時) (レス) @page40 id: 24a776f541 (このIDを非表示/違反報告)
1RNw1b57PQuD3Q9(プロフ) - 胸が苦しくなりながら何回も読み直しました。大好きなお話です。康二君側の視点のお話も読んでみたいです。また素敵な作品待ってます。 (2022年9月23日 22時) (レス) @page40 id: bdaaf2c045 (このIDを非表示/違反報告)
hs.(プロフ) - 期待を裏切る展開が面白く、切なくて、でもそれぞれが真っ直ぐに向き合ってる姿に心打たれました！とても素敵な作品でした。また次回も小説楽しみにしてます！ (2022年9月7日 11時) (レス) id: 37efc71d63 (このIDを非表示/違反報告)
rio66(プロフ) - めっちゃ面白かったです！😭翔太くんが一途で最高だったし、なにより話の展開が面白くて読むのが楽しかったです！😭♡涙腺崩壊してめっちゃ泣きましたァ😭😭 (2022年9月4日 23時) (レス) @page40 id: 1b1cdc44f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めい
| 作成日時：2022年8月6日 23時
