26話 ページ26
「五条くん妹のAだよ、可愛いでしょ」
蔵野佐久の手には1枚の写真
そこには小さいぬいぐるみを抱きしめているガキんちょ
「ただのガキんちょじゃん」
「五条くん」
いつにも増して真剣な蔵野佐久
「なに?」
「もし、僕に何かあったらAをよろしくね」
「…………ガキんちょの御守は嫌だね」
蔵野佐久の葬式は静かに執り行われた
蔵野佐久の家族や親戚は元より、交流のあったら同級生などの人が訪れ、見送った
本当に蔵野佐久が死んでしまうとは思ってもいなかった、あいつは特級呪術師になるだろうと言われていた程強いやつだった
列に紛れ焼香を済ませようと並んでいると、何も入っていない形だけの棺桶を前にずっと立っている小さい女の子がいた
見た瞬間すぐに蔵野佐久の妹蔵野Aだとわかった
歳のわりには大人びていて、涙のひとつも流さない
焼香を済ませると棺桶の前から蔵野佐久の妹はいなくなっていて、なぜだか敷地を出た近くの神社にいると思いそこに向かった
神社には声を出しながら泣く蔵野佐久の妹
「おい、ガキんちょ」
泣くのをやめ力いっぱい睨んでくるが怖くもない
『…お兄ちゃんは誰ですか』
「お前の兄、蔵野佐久の同級生の五条悟」
自分の兄の名前に過剰に反応していた
「…これから俺が守ってやる」
俺がそう言った瞬間、糸が切れたようにAは泣きだした
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時