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7話 ページ8

命の重さには相対的な違いがあり、赤の他人の命と家族の命であれば、家族の命のほうが概ね重い









人が他人の死を悲しむためには、その人に関する情報が不可欠となる









ちょうど今、何処かで呪霊によって誰が殺されてしまったとして、その死を嘆くものはその人の関わった人だけであり全世界が嘆くわけではない









これはごく普通なことで、無関係な人の死に悲しんでいたら笑顔でいられる瞬間は一生こない









私は"一人称の死"より"二人称の死"の方が嫌い









自分が死ぬよりも関わりのある人が死ぬほうがもっと辛いからだ









今回だって私の任務と虎杖くん達の任務が逆の方が釣り合っていた筈なのに上層部のせいで虎杖くんが死ぬところだった









「A、お疲れ様」









リビングでゆっくりしていると兄さんがマグカップを片手に声をかけてきた









『ありがとう兄さん』









「学校は楽しかった?」









『うん、楽しかったよ』









兄さんは嬉しいような笑みを浮かべる









私は再び目を瞑り、体全体の力を抜いた

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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時

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