34話 ページ34
連れてこられて来た部屋はタイル張りで質素だか強烈な血の匂いが充満している
無数の棘が刺さっている拷問椅子、聖母マリアをかたどったされる鉄の処女、極めつけは鋭利な刃物が吊るされているギロチン、今では絶対手に入らないような器具が並べられている
何かの呪術かあるいは特殊なルートで手に入れたかしかどうしても考えられない
椅子に縛られ動けない状況がどのくらい続いたかわからなくなってきた頃に数m先に置いてある浴槽からチャプッと音がした
服の隙間から入り込んだ冷気が背中に昇っていくような戦慄感が漂う
だんだんと姿を現す"何か"は人の形をしているが化け物の何以外でもない、真っ赤な血が染み付いた服に頭から足の先まで血が垂れぽたぽたと床に染みを作りながら近づいてくる
「……ふふふふふふ…真っ黒で綺麗な髪、紅い唇、白くて艶のある肌」
べったりと血のついた手で頬をゆっくりと触ってくる
呪霊にしては人型で言葉も喋れるのは少し不自然で、でも私の脳が化け物だと鳴らしている
『あなた…"元"人間ですね…』
「…は?……私は人間よ?」
不機嫌になったのか周りの空気までもがピリピリして肌に突き刺さるよう
『…自分の姿を見てから人間と言ってください』
「この美しい姿のどこが問題なのかしらっ!」
『はっ、戯れ言を。あなたはもう人間ではなく…』
「うるさい!うるさイ!うるサイ!ウルサイ!」
『呪霊なんて生ぬるい鬼、悪魔、妖怪そのものです』
「コロシテやる!」
どこからか出したナイフを振りかざして攻撃してくるのと同時に天井がピキピキと音をたて、一瞬にして崩れた、もちろん私ごと巻き込んで
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作者名:黒猫 | 作成日時:2020年10月29日 17時