宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ19)

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18話ページ19

空き教室に着き、窓を開けた
遠くに赤々とキャンプファイヤーの炎が見える
かすかに木がバチバチと燃える音とキナ臭さが、夜風に乗って漂ってくる
ほとんどの生徒はキャンプファイヤーの周りに楽しそうに位置している

「仙一」

後ろから誰かに呼ばれる
振り返ると先程告白されていた侑くんが立っている、なぜか私がつくった衣装を着て

『侑くん……それ、場合によっては犯罪……』

「いやっ、そういうの訳ではないねん！それにサイズピッタリやったし…」

必死に弁解をする侑くん、だがすごく似合っていた
展示用の衣装はエリザベートのドレスにあわせた王国風の衣装だ
白を基本として金の刺繍がしてあり、白の刺繍入のマントに肩には金の飾緒がある
エリザベートのドレスが寂しそうに見えそれにあうようにつくってしまったのだ
サイズは……無意識だ……

『彼女さんはいいの？』

ただ何となく聞く

「彼女なんておらへん……って聞いてたんか？！」

ずかずかと凄い勢いで距離をつめてくる

『まぁ……たまたま通りかかって、最後までは聞いてないよ』

「さよか、俺彼女おらへんよ」

『そう……』

侑くんの言葉にほっとしているがなぜなのかはわからない

「…………仙一は好きな人とかおらんの？」

少し言葉がつまる

『私は…………………』