宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ16)

今日:19 hit、昨日:15 hit、合計:282,979 hit

15話ページ16

お客さんは最初から順調に入ってきた

私はライトに合わせてうつむく感じから少し顔をあげる
お客さんがちゃんと怖がってくれていてやりがいがある
長時間座りっぱなしで同じ動作をするのは少しきついが、大量に人が来て連続で動作をすることはなかった

「え？誰？こんな子おったっけ？超可愛ええな」

稲荷崎の制服を着た男子の集団の誰かがそう言った
強引なナンパはなかったけど、男子からしつこく話しかけられて侑くんが声をかけることは何度かあった

「後ろつまっとるんで、進んでください」

冷静な対処をする侑くん
午前中のエリザベート役も終わり、午後担当の子と交代する
着替える前に侑くんにお礼を言う

『手伝ってくれてありがとう』

「おん、ほなな仙一」

侑くんは午後の演劇があるため戻っていった
私はバックヤードに行き、交代するために着替える
そこには笹原さんがいた

「お疲れ様、凄い人気やったで」

『そっか、それはよかった』

代役の私があんなに綺麗にしてもらって、ちゃんと怖がらせることができていて安心した

「あとね、男子にはぴか一人気だよ。あれは誰や！って評判になってんで」

結衣が会話に入ってくる

『それは信じがたいな』

「ほんま！ふだんAは女子力アピールせぇへんから誰かわからんねん。これぞギャップやな！」

『まぁギャップでもなんでもいいけどね』

着替え終わりバックヤードから出る

「どこに行こかー」

『そしたら2組の演劇見に行こうよ』

「ええで」

私は結衣と2組の演劇が行われる体育館に向かった