宮侑にたたかれまして【宮侑】 (ページ14)

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13話ページ14

文化祭当日

幽霊役の人は2日間交代制で午前と午後に別れてお化け屋敷に入ることになっている

私は手芸部の展示物を展示し教室に戻ってくると学級委員がもめていた

「代わりの人はおらんで！」

「せやからどうするん言ってんねん！」

聞いた話によるとエリザベート役の2人のうち1人が熱を出し休んでしまったらしい
衣装もその子に合わせて作られているからそう簡単には代役は見つからないだろう

「同じような体格の人は……」

さっきまでもめていた学級委員の笹原さんが黙ってこっちを見てくる

数秒私を凝視したと思ったら私の前まで来て肩を掴まれた

「仙一さんって名倉さんとほぼ体格同じやんな！お願いや！代役頼めへんか？」

ここで断ったらもう1人の子に負担がかかる、それに文化祭は成功させたい。
私の答えは既に決まっていた

『わかった、やるよ代役』

「おお！ありがとうな！」

私は急いで教室の裏側にあるバックヤードで着替える

「よし、始めよか」

メイクをしてくれる松本さんの手にはメイク道具があり、机の上にはところせましと本格的なメイク道具が並んでいる。おどろおどろしい青系統より、なぜかあざやかなピンク系統のチークやシャドウが多く、その前出メイク道具を持っている松本さんはにやりと笑った

『すごい……』

メイクが終わり、自分の顔を手鏡で見た時は驚いた

「もともと仙一さんは可愛いから少しのメイクでも凄く可愛くなってんで」

髪を緩く巻きハーフアップにしドレスを着て、薔薇をあしらった金のティアラを着けるとこれが幽霊でいいのかってほど綺麗になっていた。
自分で言うのもなんだけど

『でも幽霊ってもっと怖い感じじゃ……』

「幽霊館がコンセプトやし、それにエリザベートって美しくいたいために罪を犯したやろ。やから品が大丈夫なんや」

そんな設定だとは、知らなかった…