24話 ページ25
近くの住宅街の小さな公園の公衆トイレに連れ込まれた
日も沈み薄暗く周りに人気なんてない
男がやっと私の口から手を離した
痛む体を動かし抵抗する
『やめてっ！』
すると男の手にはキラリと光る刃物が握られていた
私はそれを見て息を呑む
「大声出したらどうなるかわかっとる？」
その一言で私の抵抗意識は喪失した
私に勝つすべなんて何も無い、ましてや男と女力の差も歴然だ
ただぼーっとする
「いい匂いやなぁ」
男はゆっくりとスカートの中に手を忍び込ませ太ももを撫で、耳元で荒い息をする
気持ち悪い、反吐が出る、助けてほしい
そんなことを考えてもどうせ助けなんてこない
私はこんな所で知らない男に全てを奪われてしまうのだろうか…
私が想像していたものとは程遠いものだ…
もう諦めよう…
助けなんてこない…
殺されるよりかはましだ…
想像思って目を瞑りかけたその時、私の上に跨る男がすごい勢いで吹っ飛んだ
「ふざけんなや！」
その声は侑くんだった
男は立ち上がり侑くんを睨んでいる
「なんや、もういっぺん殴られたいんか？」
すごい威圧的な声、私の時の何倍も威圧的だ
「くそっ……」
男はそれだけ言うと逃げていった
「仙一大丈夫かっ？！」
私の前まできて勢いよく肩を掴まれる
『あつ、む…くん…』
安心したからなのかポロポロと涙がでた
「すまんかった、すぐに助けにこれんくて」
侑くんが私を優しく包み込む
侑くんの声がどんどん遠く聞こえる
意識を失うのかもしれない、と冷静に考えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 728人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：黒猫 | 作成日時：2020年4月16日 21時
