お人形さんと魔法のオルゴール

38.永遠に… ページ38

愛律「……変なの…」


A「へ…？」



愛律「知り合ったばかりのやつのこと気にかけるなんて変なの。」



そうかな…

私、変なのかな？



愛律「＿＿ねぇ、僕は死なない。体は魔法使いに作られた特別なドールだからね…。心臓であるオルゴールが壊れない限り生き続ける。」




A「………」





魔法のドール…




愛律「死ぬのは心。持ち主がいなくなっても、ドールはまだその持ち主を愛しているし、帰りをずっと…ずっと待ってる…。」




A「……！」




愛律「持ち主がドールに飽きてしまえば、また振り向いてもらえるようにドールは努力する、髪が伸びる呪いのドールとかって、きっとそうだと思うんだよね…」





愛律…くん…？




愛律「自分の存在に気づいてほしいだけなんだ…。かまって欲しくて……、そう……ただ……寂しいだけなんだよ…？」







1度手を伸ばしたら2度と抜け出せないかもしれないドールの深い愛。



産まれて100年ほどでその幕を閉じる、人の生きる世界とは違う。





長い時を生きる美しいドール




ドールはいつだって君を愛しているし、振り向いてほしいんだよ…？





ねぇ、



分かってる？




覚悟はある？





中途半端は許さない




目移りなんて絶対にさせない



僕だけを見て？



僕だけを愛して？




ほら




そうしたら、僕も永遠に



ううん、死んでも





君を愛してあげるからさ……





だから早く



闇に堕ちてしまえ









愛律「＿＿＿僕の心はとっくに死んでいる」

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