お人形さんと魔法のオルゴール

28.かおり ページ28

なんで…

なんでこんな扱い方…

彼が望んでいなかったとしても、仮にも私は愛律くんを助けたんだけどな…、



A「…………」



愛律「辞めろっていうのはただの提案。責めているわけじゃない。」



責めてるじゃん……



愛律「紅茶飲む？」


A「う、ん………ありがと」



私は愛律くんが淹れてくれた紅茶に、角砂糖を3つとミルクを3つ入れてかき混ぜた。



愛律「……っ！！！」



すると、愛律くんが驚いたような表情で私を見た。



なんだろ…



A「あ、あははっ…私、甘いのじゃないと飲めなくて…っ……どうかしましたか？」



愛律「…っ………何でもない………」






はぁ……。


こうして並んでお茶を飲んでいても気まずいだけ…。


私はそろそろ部屋に戻ることにしよ…



A「ごちそうさまでした…！私もう寝るますね、おやすみなさい……」



愛律「ま、待って……！！」



私が立ち上がろうとしたその時、愛律くんに強い力で腕をつかまれた。



A「わっ！？どうしたんですか……？」



今度は私が驚く番だ。



愛律「＿＿！お前…なんでっ……この香り…！！甘い……桜の香り……」



A「……あぁ…！うん、これね、おばあちゃんから貰った練り香水です。桜だってよく分かりましたね…！いい香りですよね？」

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