1.謎の女性 ページ1
クリスマスが近づいたある日。
外は真っ白な雪が積もり、イルミネーションが輝きだし、いつの間にか夕方になっていた。
愛律「そろそろ店仕舞いだね。今日はもうお客様来なそうだし…。」
A「うん^ ^今日はいつもより売れたね!クリスマスプレゼントとかかな?」
日中、お店は大繁盛。今日は日曜日ということもあって、皆でお店にでていた。お客様の中には愛律くんたちを理由に来る方も多かったけどね(笑)
美形の店員がいるって、女の子たちの間では有名らしい。
愛律「ふふ、そうかもね、クリスマスデザインのオルゴールが新しく入荷してたし。一気に売れたよね…裏の在庫持ってくるね。」
A「うん!お願い。」
綺雪「はぁ、疲れた〜!皆お疲れ様!今日はお客様いっぱいで楽しかったね!」
梓乃「……うぅ…疲れた。座りたい。」
杏乃「あはは、梓乃お疲れ様。」
梓乃「…奏ずるい!途中からサボってどっか行くし!」
確かに……。奏くんは途中から姿を消した。
理都「あー。あいつ適当で自由だよな…」
綺雪「まー、奏なんていつもそうじゃん?ほら、レジ閉めるから杏乃と梓乃も手伝って?」
2人「はーいっ」
*
*
*
みんながお店から居なくなり、私も鍵をかけてお店を去ろうとしたとき__
チリン……
お店のドアについているベルが小さく鳴った。
入ってきたのは青のドレスに身を包んだ、とても綺麗な女の人だった。
A「____あの…っ…すみません、今日はもうお店終わりなんです。」
その美しさに思わず見惚れてしまい、私は固まってしまった。
その女性は無表情のまま店の奥へとどんどん入っていく。聞こえなかったのかな…?
A「あの……っ!」
言葉ひとつ発さず、女性はあるショーケースに手を伸ばしてガラスに触れた。
あの事件から時が経ち、莉樹さんから返してもらった愛律くんのオルゴールは、他ドールのオルゴール同様、再び店に飾られた。
女性が手を伸ばしたのは、その愛律くんのオルゴールが入っている厚手のガラスケース。
どくん…と、嫌に鼓動が鳴る。
A「や、めて…ください…っ!それは売り物じゃ…っ…!!」
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