お人形さんと魔法のオルゴール4【6/1再開しました】 (ページ2)

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2.粉砕ページ2

私がそう言ったのと同時だった。

＿＿＿バリバリバリバリッ！！！！！

物凄い音を立てて、厚手のガラスケースが割れた。

一瞬でガラスが粉々になって床に散らばるその様子は、私にはスローモーションのように見えた。

あまりの出来事に頭の中が真っ白になった。
どうして良いか分からず、その場に立ち尽くす。

そうしている間に、女性は愛律くんのオルゴールに手を伸ばした。大切そうに両手に持ち、胸の前で抱きしめる。

そして、両手に乗せたオルゴールにふう…っと息を吹きかけた。

A「………！！」

次の瞬間、オルゴールは青い炎に包まれた。その青色は、愛律くんの瞳の色と同じ、冷たい、けれど強さを秘めた深い深いアイスブルーだった。

女性がオルゴールに右手をかざす。青い炎はかざした手のひらに吸い込まれるようにして消えていく。

女性「＿＿＿お人形遊びはもうおしまい。」

ぽつりと、無表情のまま女性が呟く。

青い炎を吸い込んだ右手を、ぎゅっと握って。

私は驚きのあまりその場に崩れるようにへたりこんだ。

＿＿＿ガシャーーーンッ！！！！！！

同時に、お店の裏でオルゴールが落ちて壊れる音が耳をつんざく。

何が…どうなって……？

そう…だ…

A「め…ぐり…くん………愛律くんは…！！」

言うことをきかない足を何とか立たせ、私は転びそうになりながらも慌ててお店の裏へ走った。

彼はオルゴールの在庫を取りにお店の裏へ行っていた。じとりと、嫌な汗が背中を伝った。