Aぇアイドルと王子様③ (ページ31)

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青色のビー玉ページ31

正門side

『そうだ。正門くん、手ぇ出して。あと目ぇ閉じて。』

正「手？なんで？？しかも、目ぇ閉じんの？？？」

『いいから。早く。』

そう言われたから、俺はAちゃんに手を差し出した。
しかも、急かされた…。
今度は、なにを思いついたんやろうか？

すると、何かが手の平に置かれた。

『はい、目ぇ開けて。』

目を開けると、俺の手の平には青色のビー玉があった。

正「…ビー玉？？」

『さっき、海の中で見つけたんだ。綺麗やったから、正門くんにあげようと思って。今日のお礼も兼ねて。』

そして、Aちゃんは、俺の手から一旦ビー玉を取って、空の太陽の光にかざした。

『ほら。こうして、光に当てるとより一層キラキラして、綺麗に見えない？』

確かに、その青色のビー玉は、光にかざす事でより輝いて見えた。

『ギター弾いてる、正門くんみたい。』

正「え？」

『動画で見ただけやけど、ギター弾いてる正門くん、本当に楽しそうで、キラキラしてた。本当にギターが好きなんやろうなと思って、こっちまで楽しくなった。やから、この青いビー玉、正門くんによく似合ってるよ。やから、あげる。』

俺のギター弾いてるとこ、ちゃんと見てくれたんやな…。

しかも、そんな気持ちまで持ってくれて…。

でも…これ以上、変な意識はさせないで…。

笑顔で言わないで…。

この気持ちには、まだ気づきたくないんよ…。

気づいてしまったら、君への気持ちは止まらなくなりそうやから…。

正「ありがとう！ホンマにキラキラして綺麗やな！！大事にする！！宝物にする！！
あと、いつか動画やなくて、Aちゃんの前でギター弾くからその時は、聞いてくれる？」

『うん！楽しみにしてる！』

正「それじゃ、俺行くわ。Aちゃん、またね。」

『うん、またね。』

俺が笑顔で、Aちゃんに手を振れば、Aちゃんも笑顔で手を振り返してくれた。

時間というのは、時として残酷なものになる。

どんなにまだ一緒に居たくても、別れなければならへん時がやってくる。

それでも、俺はまた、Aちゃんに会えるって信じる事しか出来ひん。

今度会う時は、ギターを弾いてあげるよ。

そう決意して、俺は握りしめていたビー玉を太陽の光にかざした。
その青色のビー玉は、キラキラ輝いていた。

このビー玉は、絶対に失くさない。

失くしてしまったら、きっとAちゃんまで、失ってしまいそうやから…。

この青いビー玉は、俺の新しい宝物になった。