操り人形（マリオネット）【オリオンの刻印】 (ページ6)

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おつかいページ6

貴方side
はー、疲れた～。何しろ皆の前では自分を偽らなきゃいけないからね。
早く自分の部屋戻ろー。

そう思って部屋に戻ろうとした刹那、鬼道さんに声を掛けられた。敵意をむき出しにして。

鬼「おい、クラリオ選手との試合の時、わざと吹き飛ばされた演技をしただろ？」

貴「何のこと……ですか？」

きょとんとした表情をつくる。

鬼「とぼけるな!」

シーンとしたサッカー場に怒鳴り声が響く。

と、ドタドタという足音が聞こえてきた。

円「おいおい、怒鳴り声が聞こえてきたと思ったら、鬼道と花咲か？何があったんだ？」

鬼「円堂……。実は花咲がクラリオ選手のボールで吹き飛ばされた振りを……」

円「吹き飛ばされた振り?俺にはそんな風には見えなかったけどな……。まあ、どこにも被害が及んでないんだったらいいじゃか」

鬼「………」

円「とりあえず部屋戻ろうぜ!」

鬼道有人……。けっこう観察力があるのね。気をつけなきゃ。

バタン。と乱暴にドアを閉める。はー、災難だったわ。計算外。まさかあんな人がいたなんて。要注意人物かしらね。

コンコン、とドアがノックされた。こんな時間に誰？疲れてるのに。

ドアを開けて出てきたのは……つくしちゃんだった。

貴「つくしちゃん!」

大「Aちゃん…であってる？名前覚えてくれたんだ！あ、監督から伝言。アイスを買いに行ってってだってさ」

貴「Aであってるよ！伝言ありがとう！」

大「またねー」

つくしちゃんが出ていくと同時に、私は盛大なため息をついた。

貴「ハァー」

何でよりによって今！？しかも何でアイス！？もう疲れた。
とりあえずササッと済ませて帰ろ～。

貴「氷浦君…だよね?何でここに?」

氷「監督からアイスのおつかい頼まれてさ」
　
貴「私も」

氷「そうなんだ!あと、数人は来るはずだよ」

貴「そっか」

皆でアイスを買いに行った。

貴「にしてもアイスの量多くない?」

灰「だな」

氷「まとめ買いとか?」

明「かもね」

氷「まあ、買い終わったし早く帰ろうか」

不「にしても何で俺たちが監督のおつかいしなきゃいけねぇんだよ」

貴「まあ、監督が頼むってことは何か意図があるかもよ?」

灰「っていってもなーアイス買うのに意味なんかあるか?」

明「まあ、そう言われると何も言えないな…」

貴「分かんないよ?意外と帰りにハプニングがあったりして…」

そう言った刹那、

氷「危ない!」

声と共に私に飛んできたのは…サッカーボールだった。