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始まり ページ1

「死神事務所...かぁ」
青年はいつも通り学校から帰宅している途中、らしくない独り言を呟いた
黒瀬翔太、至って普通の高校生、取り分け優れているわけでも、劣っている訳でも無い、普通の青年。
学校で聞いた噂をぼーっと考えながら歩いていると、もう家に着いていた。
「あっぶね...通り過ぎる所だったぁ...」
早く入ろうとすると、ポストに黒い封筒が入っているのが目に入った。
「?何だこれ...封筒?」
一旦家に入り、封筒を確認する。
金色の字で『黒瀬翔太様、黒瀬獬翔(かいと)様へ』と書いてあった。
「...俺と兄ちゃんに?誰だ?」
中身を見ようとすると「おーい」と呼ぶ声が聞こえた
双子の兄の獬翔の声だった。
「あ、兄ちゃんもう帰ってたのか」
「部活早く終わったからな。ってお前、何だその封筒」
封筒に訝しげな視線を向ける獬翔に翔太はすぐ答えた
「分かんね、でもなんか俺達宛っぽい、中見てないから見るわ」
黒い封筒を開けて中を見る。するとそこには手紙が入っていた。

『拝啓、黒瀬翔太様、獬翔様へ
お二人に此方の事務所に来て頂く、手紙を送らせて頂きました。
× × の× × ×に私共の事務所がございます。もし来て頂けるなら、夜に其方にお願いします。 死神事務所』

文の送り主を見て二人は困惑した、噂に聞いた『死神事務所』から手紙が来たなんて信じられるわけが無かった。
「(イタズラ、、、だよな)」
翔太はそう考えて手紙を捨てようとした時、"手紙の文が変わっている"事に気付いた

『イタズラではありません。強制はしませんが、出来れば捨てないで下さい。』

「...文が変わってるし...何で捨てようとした事分かってんだ...?」
恐怖に身を震わせていると、獬翔は一呼吸置いて言った
「夜、此処に行くぞ」
「は?」
予想外の言葉に翔太は困惑した
「来いって言われてんだから行くに決まってんだろ、失礼だしな」
「兄ちゃんって謎にそこら辺真面目だよな...分かったよー...」


これが、死神の双子の始まりだった

死神事務所→



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作者名:柊 雪乃 | 作成日時:2020年9月22日 13時

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