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取られたら取り返す。
そう言うかのように星章学園が点を取り返した。
2-3
残り時間3分を切った所で、星章は1点差に追いついた。
「灰崎君が連携を意識する事で、チーム全体の力が引き出されている。……上手くいってるじゃない、彼らの思惑通りに」
「悠馬はいつから気づいていたの？」
「灰崎君がGKとしてフィールドに入ってきた時からかな」
「流石です。野坂さん」
こんな会話をしている間に再びボールは最前線を走る灰崎君の元へと渡った。
「“オーバーヘッドペンギン”！」
“オーバーヘッドペンギン”と呼ばれた必殺技は木戸川清修のDF2人を簡単に破り、ゴールに繋がった。
3-3
試合時間終了間際に両チーム同点になった。
此処からはアディショナルタイム……残り1分だ。
ボールは三兄弟の一人に渡った。
「“バックトルネード”！！」
“バックトルネード”と呼ばれた必殺技が星章ゴールへと向かう。
ここで止められなければ木戸川清修の勝ちが決定する。
さて、結果はどうかな？
「“もじゃキャッチ”！」
星章GKは相手の必殺シュートを難なく止めた。
ボールは鬼道から灰崎君へと、灰崎君から6番君へと渡る。
しかしこの時点で試合時間は30秒を切っている。
このまま同点で終わってしまうのか、どちらかが点を取って終わるのか。
「！ ……灰崎凌兵が動いた」
灰崎君が動いた場所は木戸川清修のディフェンスに掛かっていない場所。
星章の6番君も気づいたようだけど……この状況下でその隙を易々と見逃してくれる訳なく。
「でも後ろから炎が一つ」
そう。
まるでその隙を狙っていたかのように、豪炎寺修也が間に割って入ってきた。
カットされる……そう思った瞬間。
「……あ」
更に割って入ってきたのは鬼道だ。
防いだのは良いが、ボールは灰崎君から遠く離れてしまった。
「あれじゃパスは繋がらないね」
「果たしてそうかな？」
ボールはフィールドの外へ……と思ったが、灰崎君はギリギリの所で間に合った。
「あれは……ミスキックではなさそうだね」
灰崎君が間に合うことを予想していた動きだ。……彼は何処まで見越しているのやら。
「「「“デスゾーン”！！」」」
帝国学園の連携必殺技“デスゾーン”が木戸川清修のゴールに突き刺さった。
4-3
星章学園に追加点が入った。
それと同時に試合時間終了のホイッスルが鳴り響いた。つまり、星章学園の勝利と言う訳だ。
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作者名：恵野 | 作成日時：2021年6月6日 0時
