光輝く破壊天使 (ページ25)

今日:11 hit、昨日:23 hit、合計:73,031 hit

22 ページ25

・

星章学園は選手を交代させ、漸く灰崎君を本来のポジションに配置された。

残り10分。
星章はどのように巻き返すのかな？

「A。君はどっちが勝つと思う？」

「……ごめんなさい、分からない」

「いいんだよ。勝負はどちらが勝つか分からないものらしいからね」

お。灰崎君が味方にパスを出した。少しは変わったようだね。

再びボールは灰崎君の元へ。
立ちはだかる木戸川清修のディフェンスを軽々と躱していく。

「……おや、今度は木戸川の連携ディフェンスに捕まったようだね」

「またボールを奪われるんじゃない？」

「……いや、そう結論づけるのは早いよ」

Aの言葉を遮った瞬間、灰崎君は味方にパスを出した。
そう。灰崎君は連携ディフェンスを連携で対抗し、勝ったのだ。

「！ ……星章に点が入った」

「やっと一点を取り返したって所だね」

灰崎君が連携に加わったことで流れが一気に変わった。

灰崎君が星章学園の10番にパスを出した。
そのまま10番君の必殺シュート“スペクトルマグナ”が木戸川清修のゴールに向かって放たれ、追加点が入った。

1-2
漸く動き出したって所かな。

「……始まったね」

ここからが本当の試合……星章学園と木戸川清修の試合だ。

現時点で残り時間7分。
星章学園は逆転して勝てるのかな？

「……もしかして、灰崎凌兵が指揮している？」

「そうだよ」

星章が持っていたボールを豪炎寺が奪った。
そして“ファイヤートルネード”を放って追加点を獲得した。

1-3
星章学園はまた差を付けられてしまった訳だ。
5分で巻き返さなくてはならない。

所で……

「A。“ファイヤートルネード”を見て何か思う事はないかい？」

前に美濃道三と雷門の試合で、Aは元雷門メンバーが使う必殺技に酷く反応していた。しかし、今日のAは“ファイヤートルネード”を見ても何の反応も示さない。……それも、本人が使っているというのに。

「何か？何も思わないよ？」

「……そうかい」

「前に見た“ファイヤートルネード”はコピーだろうけど、今の“ファイヤートルネード”は本人が使っている。だから前に見た奴より威力は確然に違う」

雷門の11番君が使っていたのは覚えているらしい。
なのに何も反応がないなんて。

……彼女もまた、僕等と同じように証拠を隠滅させられているのかもしれない。あの男による指示で。

・