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「顔写真は髪を結んでここを染めてる時のものを使ってるんで、髪下ろして染めてるところを落として置けば大体の人は僕だって気付かないですよ」
「相当自信あるんだな」
「性別間違えられるくらいなんで……」
「悠と並べたら双子の男兄弟にしか見えねぇもんな！」
「うぅ……」
不動さんと条ちゃんの言葉に勝手にダメージ喰らっている僕。
自分から言っておいて傷つくって……。
「外見は良いとして、後は服装ね。A、制服持ってきてる？」
「……持ってきてない」
「だよね……」
「そもそも制服は日本に置いてきてるんだよね」
僕の答えを分かっていたのか、春奈は溜息をつく。
だって僕選手として来てるんだから持ってきてるわけないじゃん！
「え、日本にあんの？」
「はい。だって今僕が通っている学校、制服ないんで」
「そうなの！？」
「イタリアでは制服の指定がある学校、少ないらしいですよ」
僕もイタリアに行ってから知ったことで、初めは円堂さんみたいな反応だったなぁ。
オルフェウスのみんなは制服がどんなものなのか気になってたみたいで、すごく尋ねられたなぁ。
特にモデルをやってるラファエレには凄い質問攻めされた。渋々自分の制服着た写真も見せたくらいである。
「ま、僕としてはワイシャツ着なくていいので楽ですけど！」
「なんで？」
「え、だって苦しいじゃ無いですか。僕、首回りが楽な服が好きなんですよ」
「確かに、Aの私服ってパーカーとかVネックが多いわね」
春奈とは学校が休みの日は遊んだりしてるから、僕の私服姿を見たことある。その逆も然りだ。
よく性別を間違えられる僕だけど、割と女子らしい服だって着ているんだぞ。スカートは制服の奴しか持ってないけど。
「……ワイシャツで悪かったわね」
「げっ、夏未さん……」
「風紀委員からよく貴女の名前が出るのよね……」
「あっははは〜…」
「A、目を離した途端すぐに第一ボタン外してるんだもの……」
「音無さん、苦労してるのね……」
どうやら僕の事は風紀委員に認知されているらしい。悪い意味で。
「……そうなのか？」
「まあまあ有名ですよ、Aが校則守らないのは」
「常習犯よね、もう」
円堂さんの質問に春奈が答え、夏未さんが呆れる。
……てか、話脱線してない？
「春奈、なんで制服持ってきてるか聞いてきたの？」
「明後日の試合の時の格好よ」
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
