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僕とフィディオがシュートを決め続ける。
刻一刻と試合終了の時間は迫っていて。
「……っ」
やはり30分間が限界らしい。
周りにいるチームメイトにも疲れが見え始めてきた。
それは僕にも当てはまっていて。
「(人1)、君は俺にパスする事に集中してくれ」
「まだ打てるよ……！」
「いいから。俺に任せて」
フィディオにバレた。
……確かに、シュートを打っている僕とフィディオは他のチームメイトよりも負担が掛かっており体力も多く削られている。
限界が近い僕を見抜いて声を掛けてきたんだろう。
「でも、フィディオだって僕と同じ事やってるし……」
「そうだな。だから君に支えて欲しいんだよ」
「！」
ハーフタイムの時にブラージに言われた言葉を思い出す。
“一人じゃ支えきれない。……だから、お前がフィディオを支えてやれよ？”
「……分かった。今出せる精一杯の力でサポートするっ」
「頼んだよ」
フィディオの手が僕の手を軽く叩く。
パンッと乾いた音が短く鳴った。
……疲れているのは僕だけじゃ無い。フィディオもみんなも限界を感じながらも頑張っているんだ。
試合終了までもう少し。……ラストスパートだ！
試合再開
オルフェウス側も段々疲れが見え始め、隙が生まれ始めた。
だがそれを感じさせてはいけない。
回ってきたボールを奪いに来る相手から躱しながら、前を走る背中に視線を移す。
……流石、“白い流星”と呼ばれているだけある。綺麗な動きだ。
「フィディオッ！！」
DF陣を抜き去ったフィディオにパスを出す。
……繋がった！
「行くぞーッ！！」
フィディオがシュート体勢に入る。
円堂さんの表情に力が入る。
「“真オーディンソード”！！」
“オーディンソード”が進化した……！
先程とは明らかにパワーアップしたフィディオの必殺技が円堂さんの元へと迫る。
「ガアアアアンッ！！！」
「！！」
円堂さんの背後に現れた魔神。
さっきよりはっきりとしている……！
「ドワアアアアンッ！！！」
……フィディオのシュートを掴んだ！
円堂さんの両手の中にあるボールは回転を失っておらず、パワー負けしたのか円堂さんはボールと共にゴールの中へ入ってしまった。
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作者名：恵野 | 作成日時：2020年6月16日 23時
