*45*最終回 ページ46
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朝、目が覚めて、コーヒーを淹れてから、リビングのソファに腰掛け、テレビのリモコンの電源ボタンを押す
8時台の朝のニュースは昨日の未明の火事のこと、芸能人のドラマのこと、某遊園地の紹介などなど、色々なニュースが報道されている。
ア「次のニュースです。MSBYブラックジャッカルの宮侑選手が、昨日、自身のトイッターで一般の女性と結婚したことを明らかにしました」
このニュースはちょっと口角上がるかもしれない。
その時、後ろからにゅっと手が伸びてきて、私が持っているリモコンを横取る
侑「ええよ、そんなもん見んで」
チャンネルを変えるも、どこのチャンネルにも「宮侑選手 結婚発表」の文字があり、顔をしかめていた
『発表すんのが悪いんやろ』
侑「んむ」
結局、元のチャンネルに戻り、画面には侑が映っていた
トイッターで書いたのであろう文字がテロップ付きで放送されている
侑「あぁぁ、ほんま恥ずかしい…」
『まだ私も読んどらんからなぁ…』
嫌味ったらしく言うと、顔を真っ赤にして言った。
侑「Aは読まんでええ!」
『え〜』
侑「え〜やない、ほら、朝飯作ろうや」
いつもなら私から朝ご飯作るで!と言うのだが…
『ん〜キスしてくれたらやりマス』
今日は甘えたい気分です。許してください
侑「え〜」
『何やその顔〜私の動力源は侑クンなのだよ〜』
そう言って、侑の唇をフニと触る
侑「んーしゃーない!」
上を向いて待っていると柔らかいキスが降ってきて、自然と口角が上がる
侑「いつからそんな悪い子になったんですかAサンは」
『学生時代がイイコチャンだっただけや、これが本性』
侑「嘘や」
『あたり。…ふふっ』
侑「?」
『ううん、あん時、侑を好きになってよかったなぁって思って』
侑「奇遇やな、俺も今同じこと思っとった」
『これからも好きだけど』
侑「当たり前体操やな」
『古いで』
侑「そこはツッコまないお約束」
『…好き』
侑「俺も」
私たちは左手の薬指にはまる指輪を見ながら、にこりと笑い合った。
Fin.
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作者名:恵舞 | 作成日時:2020年5月29日 18時