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北「ただいま」
その声を聞いて一目散に玄関へ向かう
『お兄ちゃんおかえり!聞いてほしいことがあんねん!手洗ったら、リビング来てや!』
北「!、わかった。Aがそないになるくらい嬉しいことがあったんやな」
『嬉しい…ことではないんやけど…とにかく、早く聞いてほしい!』
北「わかった。手洗って、制服掛けたら行くな」
『うん!』
そう言うとお兄ちゃんは奥の自分の部屋に入っていった。
北「それで、何があったん?兄ちゃんに話してみ?」
『うん…今日な、昼ごはん食べて、教室に戻るために廊下歩いてたんよ』
北「うん」
『それで、途中で人にぶつかってもうて、私が落としたハンカチ拾ってもらったんよ。そん時、笑いながら、えらい別嬪さんやなぁって言って…その顔が今も忘れられんの』
北「…おん」
『その人のこと思い出すたびに顔が熱くなってもうて…そんで、この気持ちが何かわからんから、お兄ちゃんに聞こ思って…』
わかる?と問いかけるとお兄ちゃんはキランと効果音がつきそうな感じで答えた
北「それは…恋やな」
『恋…?』
私が恋をしてるってこと?
北「おん、相手のことを好きになるってことや」
『でも、私お兄ちゃんのこと好きだよ?』
北「それはlikeのほう、Aがその人に抱いてる感情はlove。俺のことは家族として好きなんやろ?その人のことは、男性として、異性として好きなんや」
だって俺のこと思い出してドキドキせんやろ?と付け足して笑う
『そっか…じゃあ、恋…!』
恋なんて、可愛い子だけがするものだと思ってたから…平凡以下の私でもするんだ…と内心驚いていた
北「それで、誰なん?」
『え』
北「Aが好きになった人、誰なん?」
『あ…名前とかは聞いてなくて…わからん…』
北「特徴とか、印象に残っとるところは?」
そ、そんな気になります?お兄ちゃん。
『えっと、金髪で、背が高かった』
それだけ、と言ってお兄ちゃんを見ると、目をまんまるくしていた
『?』
北「…わかった、ありがとな、Aからこんな話聞けて嬉しかったで」
そう言ってお兄ちゃんはリビングから去っていった
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作者名:恵舞 | 作成日時:2020年5月29日 18時