折檻の味は/Crazy M ページ16
「理鶯、大丈夫なんですか？」
「ああ。曹長も流石に一般市民には手を出さないはずだ」
「バァカ、そうじゃねえよ。銃兎が言いてえのは、その幼女曹長がてめーに手を出さないのかって話だ」
左馬刻も銃兎も、流石に理鶯の事を心配した。だが、理鶯は頑なにその心配を拒み続ける。本人が曹長を泊めると言ってしまっていては、もう止めようがない。二人は顔を顰めつつ、曹長と理鶯が寝泊まりするテントの横に張られた予備のテントにて就寝についた。
「…… 」
二人が就寝につくと、辺りはすっかり静かになった。偶に森の深く奥から聞こえる獣の声と火の後始末の音だけが響く。だが、理鶯はどうしても寝る気になれなかった。曹長の隣で寝る？寝首をかかれる未来しか見えない。あの曹長はそういうことを躊躇わないような悪魔だ。今自分が死ねば、このヨコハマ・ディビジョン代表の3番手はどうなるのか。まだ死ぬわけにはいかなかった。
……ふと、理鶯の優れた耳に啜り哭くような声が聞こえた。否、ような、ではない。啜り哭く声だ。しかも甲高い幼女の声。不審に思い、サバイバルナイフを片手にテントの中に潜り込む。するとそこには確かに、啜り哭く上司がいたのだ。
「……い、すまない、理鶯。すまない…… 」
気がついていないのか？じっと耳をすますと、幼女の嘆く言葉がはっきりと聞こえた。
すまない理鶯。私は、お前の料理を食べたかっただけなのだ。皆と一緒に笑いあって。だが、私に“無理矢理”施された身体改造は常人の感性とともに味覚を奪った。だから、つい＿＿＿
「曹長……否、泣くな、A。お前はまだただの子供だ」
「りお…… 」
理鶯の抱擁に静かに身を委ねるAは、確かに子供だった。何故気がつかなかったのか不思議なくらい、彼女はまだ小さかったのだ。そんな彼女が身体改造を進んで受け入れるわけがないのに、自分はずっと何処かで彼女をただの暴力装置としか見ていなかったのかもしれない。理鶯はテントを出て、後始末をしたばかりの火を起こし始めた。彼女に無味の一品を作る為、ただそれだけの為に。
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市(プロフ) - ありあむ★さん» 何回か貼れてなくて焦りました(笑)コメントありがとうございます。頑張ります！ (2019年2月16日 20時) (
レス) id: 785252a094 (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - 水空色さん» 了解です。ちょっと二郎君の口調把握したいので遅くなるかもです…！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: 785252a094 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - あの、リクで二郎とは犬猿の仲のヤンキー夢主が喧嘩に負けて襲われそうなのを二郎が助けるのいいですか？ (2019年1月28日 18時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - あずま真太郎さん» いえいえ、こちらこそリクエストありがとうございました！ (2019年1月21日 10時) (レス) id: 6e4265016c (このIDを非表示/違反報告)
あずま真太郎 - ありがとうございます(土下座)来世まで語り継ぎます(使命)こういう報われない(？)終わり大好きです。 (2019年1月21日 7時) (レス) id: 9ab5b26630 (このIDを非表示/違反報告)
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