忠犬、猫を食む/Phantom ページ12
その翌日のことだった。Fling Posseの作戦会議……という名の乱数と帝統のお遊びの付き合いの為、幻太郎はシブヤの一角にあるカフェに訪れた。良くも悪くも＿＿＿いや、殆ど悪い意味でだが目立つ二人はすぐに見つかり、空いていた椅子にかける。それから暫く下らない談笑をしていた三人だったが、不意に乱数が「恋バナしよう！」と言い出した。
「ほらほら、なんかないの？」
「あるわけないだろ。俺は恋よりギャンブルだぜ！」
ニッと笑う帝統はなかなかに美形だが、定まった家のない彼の髪は酷く痛んでいて、どこか彼女を彷彿させた。
「……帝統、あなた髪の手入れはしないのですか？」
「えー？だって最近幻太郎、家上がらせてくれねーじゃん。なかなか風呂入らねえんだよ」
不潔だ。今まで帝統に触れた事がないわけではない。その記憶が一気に頭の中を駆け巡り、今すぐ除菌をしたくなった。その事をネタに嘘でもつこうかと思ったその矢先。
「それに俺、風呂入っても髪とか乾かさないし」
「……今、なんと？」
風呂に入って髪を乾かさない男など、幾らでもあるだろう。でも、公園にゆかりのある男といえばここら辺ではたまにホームレスになる帝統くらいしか思いつかない。悲しいことに、チームメイトへの疑いはすぐに確信へと変わった。
「俺さー、前に付き合ってた女が居たんだよ」
「えー⁉帝統に？信じられなーい」
「乱数は黙ってろって。でな？そいつも髪乾かさねえんだよ。なんでだって聞いたら、俺の真似って言うから。それ以来、俺もアイツも髪を乾かさないってのがお決まりになったんだ」
もう別れたけどな。そういう帝統はどこか懐かしむように目を細めた。その様子はさながら猫のようで、思えば気まぐれな猫に彼はそっくりだった。
完全に現実逃避だった。自分が滑稽なピエロに見えて仕方がなかったのだが、やっとできた愛する人は自分を愛してはいなかったのだ。逃避したくもなる。
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市(プロフ) - ありあむ★さん» 何回か貼れてなくて焦りました(笑)コメントありがとうございます。頑張ります！ (2019年2月16日 20時) (
レス) id: 785252a094 (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - 水空色さん» 了解です。ちょっと二郎君の口調把握したいので遅くなるかもです…！ (2019年1月28日 19時) (レス) id: 785252a094 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - あの、リクで二郎とは犬猿の仲のヤンキー夢主が喧嘩に負けて襲われそうなのを二郎が助けるのいいですか？ (2019年1月28日 18時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
市(プロフ) - あずま真太郎さん» いえいえ、こちらこそリクエストありがとうございました！ (2019年1月21日 10時) (レス) id: 6e4265016c (このIDを非表示/違反報告)
あずま真太郎 - ありがとうございます(土下座)来世まで語り継ぎます(使命)こういう報われない(？)終わり大好きです。 (2019年1月21日 7時) (レス) id: 9ab5b26630 (このIDを非表示/違反報告)
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