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もう一体の夜叉らしい。 ページ4

美しい庭園に、三人がいた。



森「散る葩の美しさよ。」
?「されど莟のまま、散らす事もなし。」



仕込み杖の刃が、葩を二つにした。



『……散る花を追うことなかれ。』



幼女の呟きは、刃の主には届かない。



***



その日はマフィアを抜けた暗殺者、泉鏡花の初仕事の日だった。敦と共に仕事に臨んだ鏡花だったが、仕事は失敗。二人で椅子に腰掛け話していた、その時だった。



鏡花の携帯が鳴った。



?「夜叉白雪よ。鏡花に近寄り嘘の世界を教えるものに、罰を与えよ。」



夜叉白雪が、敦の腹を刺した。



紅「害獣の血でも飛沫く様は美しいのう。そうは思わぬかえ。愛しの鏡花や。」



現れたのは、美しい和服の女だった。



ポートマフィア幹部
尾崎紅葉___能力名『金色夜叉』



鏡「……!」
紅「息災じゃったか?私がどれほどそなたを案じ、胸を痛めたか。このような___」



紅葉はコツコツと倒れこむ敦のもとまで歩き、ヒールで敦の傷を抉った。



紅「獣畜生共の下にそなたを残す事になって。」
敦「ぐあッ!?」



苦しみ悶える敦を気にも留めず、紅葉が鏡花を励ますように扶けに来たと云う。



鏡「何故、貴女が……電話を。」



ヒールで更に傷口を抉りながら刺して吐かせたと紅葉が答える。



紅「もう何も思い煩う事は無い。私が守ってやろうぞ。」
敦「彼女はもう、マフィアには戻らない!彼女の力は探偵社の仕事で振るわれるものだ!」



敦の叫びに紅葉は___



涙を流した。



紅「矢張り……鷗外殿の許可など待たず、迎えに来るべきであった。このような欺瞞と偽善の巣にそなたを一秒も置いてはおけぬ。」



紅葉は鏡花をそっと抱きしめ、言葉を続ける。



紅「可哀想な鏡花や。甘言に唆され、そこが光の世界と勘違いしたのであろう。じゃが奴等は孰れ云うぞ。夜叉白雪を使え、と。それは厭であろ?」



___じゃが案ずるでない。異能目当ての屑共など、私が微塵に切り裂いてくれる。



その言葉に怒りを感じた敦が紅葉に向けて飛び出す。しかし。



敦の体は一瞬で刃の攻撃を受けていた。



紅「遅いのう。」



紅葉の背後に、もう一体の夜叉が揺らめいた。

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うり太郎(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです!更新再開楽しみにしてます!! (2021年8月20日 19時) (レス) id: ccbe99882f (このIDを非表示/違反報告)
蓮華 - 一話から見ました!すごく面白かったので更新頑張ってください! (2018年12月12日 11時) (レス) id: ac7021737e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - まゆさん» ありがとうございます!!なかなか更新ができませんが、お付き合い宜しくお願いします! (2018年11月27日 0時) (レス) id: 1ef65eb65d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 続編おめでとうございます^_^面白かったです^_^続きが、すごく気になります^_^これからも、頑張って下さい^_^ (2018年11月26日 23時) (レス) id: 7cd0412924 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 花宮 夢@CSS垢さん» ありがとうございます! (2018年9月7日 0時) (レス) id: e1bf82577f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2018年8月9日 10時

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