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その言葉に、今までのAの服装を思い出す。
確かにラフな格好も多いが、出かける時はきちんとオシャレな格好をしていたはず。
「……辰哉くんアイドルだから、周りに可愛い人とか綺麗な人多いでしょ？ ピアスも開けれないオシャレじゃない女なんか嫌になるかなって思って……」
思わぬ発言にAを見ると、自分の指をモジモジと触りながら一生懸命話していた。
その姿があまりにも愛おしくて、思わずそんなAの小さな手をギュッと握る。
「……もしかして全部俺のため？」
「当たり前だよ」
力強く頷くAに、俺は思わず安堵のため息が深くなる。
「俺……他に男ができて、それでAの様子が変わったんじゃないかって……。違うとは思ってたんだけど……ごめん」
そう言うと、Aはクスクスと笑う。
「ないない。私は辰哉くんだけだもん」
当たり前のようにして言いのけたAは、すでに重なっている俺の指に指を絡めた。
「はぁ……、Aには敵わねぇわ。俺本当はさ、束縛も嫉妬も、余裕がない男みたいでいやなんだよね」
どの口が言ってるんだと自分でも思う。
でも、自分の中の恋愛観が覆ってしまったのだから仕方ない。
「私も束縛も嫉妬もホントうんざりと思ってた」
Aの口から初めて恋愛観が明かされ、俺は思わず聞き入る。
「でもね……、辰哉くんなら良い。嬉しいって思っちゃう」
はにかんで笑うAが可愛すぎて、俺は思わずそのままソファーに押し倒す。
「かぁいい、マジで好き」
もう必要ないと思い、Aの唇を色付かせているグロスを舐めとるように、深い口付けをする。
Aに束縛も嫉妬もうんざりにさせた相手のことは多少気にはなるが、まぁ今はいい。
微かに聞こえるAの吐息に、俺の嫉妬心が飛んでいく。
「ねぇ辰哉くん、私にピアス開けて」
そう言うと、Aは耳元のピアスを外す。
「は、え……？ イヤリング？」
「お恥ずかしながら」
よく見るとAの耳たぶには穴は一切見当たらず、俺の早とちりだったと恥ずかしくなる。
「……俺でいいの？」
「うん、辰哉くんがいい」
ピアスの穴なんてずっと残るもので、それを俺が開けられるなんて優越感しかない。
「じゃあ、俺にAの初めてちょーだい」
初めてAの体を暴いた奴には今更なれないから、これだけは譲れなかったんだ。
まぁこれは、あまりにも女々しすぎて絶対言わないけど。
終わり
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小袖(プロフ) - 爆きゅんしました( ; ; )♡ (2023年1月18日 18時) (
レス) @page37 id: 086580d8cf (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - センさん» 応援ありがとうございます！マイペースになりますが更新楽しみにしていただけたらと思います！ (2022年12月17日 11時) (レス) id: 8a1fff5847 (このIDを非表示/違反報告)
セン(プロフ) - このお話めちゃくちゃ大好きです！これからもひっそりと応援しています。更新お疲れ様です。 (2022年12月16日 23時) (レス) @page37 id: 4a7d47f0c5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六花 | 作成日時：2022年11月23日 19時
