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まぁ、Aにはハッキリ言ってないんやけど、メンバーには紹介したいとは思っとった。
俺はちゃんと結婚を見据えて付き合っとるつもりやし。
いつでも自分よりメンバーを大切にしてくれるAに感謝やな。
「なぁA」
「ん？ なぁに？」
名前を呼ぶと、泡のついたスポンジを持ったまま笑顔で振り返るAに、どうしようもなくドキッとした。
「んー好きや」
「あら、急に甘えちゃって」
後ろからハグをして、Aの後頭部に額を擦り付ける。
俺と同じシャンプーの香り、俺と同じ柔軟剤の香り。
もう、想いが溢れそうで辛い。
「好き、ホンマに好き」
「私も好きだよ」
Aは分かってない。
好きの言葉で誤魔化して、結婚して名前諸共自分のものにしようとしている俺の想いなんて。
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作者名：六花 | 作成日時：2022年9月21日 22時
