宮玉の交換日記

17 宮 ページ37

………





………





俺の苦手とする無音な沈黙が続く中
いまだ自由きままなはずの子猫ちゃんは
離れることなく胸に留まっている。





お陰で、ウハウハなホクホクで
空から天にまで舞い上がっていた気持ちが
地上へと降り立ち





この状況を噛み締め堪能する時間も
冷静に分析して次の行動を思案する時間までが
与えらるくらい経過しているのにもかかわらず
状況は、一切の変化を見せない。





そうなると、これは、
都合のいい夢でも妄想でも蜃気楼でなく
現実なんだと言う答えへと辿り着き
ようやくヒシヒシとリアルな肌の温もりが
こちらの肌にも伝わり心地よさが増す。




それにしても
いつだって自由きままな子猫ちゃんで
予測の出来ないところもあるけれど
色恋に関して
ここまでハッキリとした大胆行動は
今の今ままで一度たりとも無かったのに
どんな心境の変化で？




はて？さて？




さすがに見当もつかなさすぎて
どうしたもんかな………。





バァっっ





「…………これは、遊びじゃないんだぞ！わかってんだろうな？」






大人しく胸にしがみついているかと思っていたら
突如、少し身体が揺らぐくらい勢いよく
離れていってしまった子猫ちゃん





まぁ、この自由きままでツンな感じこそが
通常運転だし嫌じゃない
寧ろ好きなところなんだけれど
いきなりの遊びじゃない発言には、戸惑う。




それは、どう言う意味？




結婚式は、
あくまでビジネスだって事を強調された？
それなら、さっきまでのハグは何？




これは、これで意味がわからないし
何を伝えたいのがが見当がつかない………




だからと言ってスルーも出来ない！
返事をするのにしても間を開けすぎると
ご機嫌を損ねる可能性が大だから
ここは、とりあえず
真意がハッキリするまでは曖昧な返答を
しておくのが無難だな。




「勿論、分かってるよ！分かってますとも！アッハハは。」




これで、誤魔化せたかな？
それにしても、イキナリどーしたんだ？
甘えた感じでしがみついているのかと思えば
真顔で！




「それならいいけど、絶対にふざけるなよ！そんなニヤついたヘラヘラ顔でやるなよ！」





「分かってる！ちゃんとやらせていただきますよ。せっかくタマと組ませてもらったんだし、シッカリとアイドルな宮田全力で出すから安心して。」





そうきたなら、
この言葉とこの顔で返答
これで、どう？



ご機嫌を保ってくれる？




「分かってるならいいんだけど……」

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