バリューセット藤北始めました。

ライバル登場 01 藤 ページ4

PV撮影は、 朝から始めたのに
太陽が沈んでも終わらず
深夜にまで及び終わる頃には、
みんなの顔に疲れが見え始めていた。




撮影が終わり楽屋に戻ると
みんなグッタリとして着替えもせずに
ソファーや椅子に座り休んでいた。




そんな中、
北山だけは、楽屋に戻るなり座りもせずに
そそくさと帰り仕度を始めていた。




T「はぁぁ〜〜疲れた〜俺っ、もう着替える気力ものないんだけど。無理〜〜。」




S「タマ〜俺も〜〜足とかスゲーパンパンになってるし。」




2「だよな〜ってミツ、もう着替えてるし。早くね？何？こんな深夜から用事でもあるの？怪しい〜。」




普段メンバーの前では話たりしない俺は、
この北山の行動が気になっていたのに
聞けずにいた。




ニカ、ナイっす。




今の勢いだと、
そのまま帰っていただろうから
モヤモヤせずに済んだよ。




仕事で定期的に会うせいか
携帯での連絡は、たまにする程度。




ましてや、
いくら想い合っているのがわかっていても
まだ付き合ってないのに
何処行くの？何してたの？なんて
聞ける訳もない。




そんな事を聞く前に
何でサッサと付き合わないんだよって話。



でっ、どうなの？何があるの？
北山の返答が気になるところ。




K「全然、怪しくねーよ。大倉と飲む約束してて、撮影だからって断ったんだけど、遅くなってもいいって言うから今から行くだけ。」




大倉くん……………。
1番、聞きたくない名前であり
1番、行って欲しくない相手。




多分、ライバルの中で1番の強敵。




M「なんだ〜大倉くんか〜。キタミツにも、いよいよ意中の相手が出来たのかと思ったのに〜大倉くんだとスクープにならない〜。」




バカっ宮田。
大倉くんとの飲みなんて一大事。



しかも、遅くなってもいいからとか
北山に会いたいから出て来る言葉だし。




K「そう言う訳だから、先に帰るわ。じゃあ、みんなお疲れ。」




「お疲れ〜〜」




そう言い残し、
北山はサッサと楽屋を出て行ってしまった。





何時もなら、いい気はいないけれど
昔から仲良しなんだし仕方ないと思うだけ




でも今日は、何となく胸騒ぎがして
その後直ぐに着替えもせずに
俺は、楽屋を出て北山を追いかけた。




直ぐに出て来た筈なのに
北山の姿は、
廊下にはなくタクシーを待つ駐車場に居た。




ったく、どんだけ急いでるんだよ
そんなに急いで大倉くんに会いたいの？




タクシーを待つ北山の腕を掴み
死角へと引っ張った。

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