バリューセット藤北始めました。

再びライバル登場 05 藤 ページ28

何なんだ……。




この一方的な会話は……。
全く噛み合っていないのに
次から次と話し掛けられる。




目の前で、俺の宏光にベタベタする女と
どさくさに紛れて、俺を誘って来る女。




母から、
女性はお姫様だと思って扱いなさいと
言われて来たけれど無理。




俺のお姫様は、
目の前にいる宏光だけで充分だ。





本当に、一つも楽しくない。




でも、
そんなお食事会もケーキを食べた事だし
上手い事理由を付けてさっさと帰ろうと思い





その前にと、
席を立ちトイレに行き席へと戻ろうとすると
衣装さんが扉の前で待ち構えていた。




あぁ……
こう言うパターンか……。
冷静にそう思った。




「藤ヶ谷さん、見て下さいあの2人。何だか良い雰囲気なんで、こっちに避難して来ちゃいました。」




そんな訳ねーだろ……
この位置から見ても
宏光の表情は迷惑そうにしか見えない。




「私達も、この後飲み直しませんか？シャンパンの美味しいとことか。藤ヶ谷さん、素敵なとこ沢山知ってそうなんで、お任せします。」




返事をしないのを肯定と取っての発言？
例え、素敵なとこを知っていたとしても
貴方とは行きません。




俺の大事な大事な宏光しか連れていない。




F「すいません、この後、北山と打ち合わせも兼ねて飲み直す予定なんです。元々、今日は北山とその事でご飯を食べる約束をしてたんで。それから、いつも野郎とばっかり食べに行くんで素敵なとことかあまり知らないです。なんで、素敵なとこが、お好みでしたら他の詳しい方と行かれた方が良いと思いますよ。」




有無を言わさず、一気に言い切った。




そんな事を言われると思っていなかったのか
呆気に取られている。




ププっさて、
席に戻って大切な人を助けに行こう。





席に近付いて行くと





K「すいません。この後、藤ヶ谷と打ち合わせを兼ねて飲み直す予定なんです。飲み足りないようでしたら、お2人でこの後も楽しんで下さい。それから、あまり知らない男性を部屋に招くなんて危ないですから、気を付けて下さいね。」




ププっ、スゲーもん見た。




宏光がこんな事を
しかも、
女性に言うなんてよっぽどの事。




衣装さん同様
まさか、こんな事を言われると
思っていなかったようで呆気に取られている。




そして、
俺が帰って来た事に気付いたらしく
目が合うと頷いた。




K「支払は済んでます。お疲れ様でした。」




最後に宏光がバシッと決めて
レストランを出た。

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