バリューセット藤北始めました。

再びライバル登場 03 藤 ページ26

はぁ…………。





流石に、この展開に持って行くとは
思いもよらなくて
フォローも入れられなかった。




宏光は、
物凄く申し訳ない顔をしているけれど
俺としては、
2人じゃなくて4人で良かったと思っている。




このヘアメイクさんなら
宏光にタラフクお酒を飲ませて
お持ち帰りするとか
もしくは、
自分が酔って具合の悪いフリをするとか
定番だけれどもやり兼ねない。




嘘だとわかっていても
具合の悪いと言っている女性を
置いて帰るなんて
宏光は、絶対に出来ない。
だから、
このヘアメイクさんと2人でお食事なんて
危険過ぎる。




そして、
雑誌の撮影も何事もなく終わり
あっという間に
4人でのお食事会の時間になってしまった。




宏光とタクシーに乗り
レストランに向かっている最中




K「太輔ごめん。こんな事に巻き込んじゃって。」





F「あれは仕方ない。俺もケーキを買って来る話だと思って聞いていたし。それに、2人じゃなくて良かったって思ってるから謝らないで。」




それでも、
申し訳なさそうな顔をしている宏光の手を
運転手さんからは、見えないように注意を払い
ギュっと握りしめる。




どう？少しは、安心してくれた？




K「ありがとう。」





少し顔を赤らめているから
きっと手を握りしめた方のお礼をしている。




F「さっさとお食事をして帰えろう。」




そして耳元で




F「俺んとこで、ケーキより甘い夜を過ごそう。」




みるみる赤くなっていく顔。




ヘアメイクさん
北山の事、男っぽいとか思ってるでしょ？
でも本当は、
手を握りしめて耳元でちょっと囁いただけで
こんなに顔を赤くして恥ずかしがるんだよ。




これは、俺しか知らない顔。




そんな優越感に浸りながら
タクシーに乗っていた。




レストランに着くと
ヘアメイクさんと衣装さんは既に
着いていたようで待ち構えていた。




「お疲れ様で〜〜す。楽しいお食事会にしましょうね〜〜。」




ははは……




仕事中よりも、語尾が伸びていて
かなり鼻に付く話し方。




「私まで、お誘いして貰っちゃってすいません。お二方とお食事出来るなんて、凄く嬉しいです。」




は？
俺たちが誘ったみたいな話になってるの？
冗談じゃねーよ。




衣装さん、口調は丁寧。
でも、さりげなく俺の横に来て
控えめだけれどボディータッチしてる。




口調や仕草でわかりやすく
何かをしてくるタイプじゃない
こっちの人の方がタチ悪そう〜





早く帰りたい。

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