バリューセット藤北始めました。

初デート 04 藤 ページ18

駐車場に来ると北山の姿が見え
近くに停めたはずなのに
中々こっちに来ない。




ボンヤリしちゃってるけれど大丈夫？




なんて朝からスケジュールを間違えて
マネージャーの車を待っていた奴に
言われたくないか…………。




気が動転していたとはいえ無い。
ははは……マネージャーに電話して
違うって気付いた時には、笑うしかなかった。
北山からもLINEが来ちゃうし……。




カッコ悪過ぎて、あまりにも無さすぎて
暫く呆然と立ち尽くした。




とりあえず声を掛けてみるか。




助手席側の窓を開けて声を掛けてみると




F「北山〜お疲れ。」




驚いたように目を見開いて
はっ！となり車へと駆け寄って来た。




K「ごめん、ボンヤリしちゃった。迎えに来てくれて、ありがとう。」




恥ずかしそうにモジモジしながら
車へと乗り込んで来る。




何年も秘密の時間を過ごして来てるのに
2人になった途端に恥ずかしがるんだよな〜
だから、
ワザと甘々にして
更に恥ずかしがらたくなるんだけどね。




でも今日は、
まず昨日と朝の失態を謝るのが先。
甘々Timeは、後でゆっくり焦れ焦れと
やろうと決めている。





F「昨日は、酔って変なLINEしちゃって、ごめんなさい。朝も……スケジュール間違えてて、ごめん。」




K「ぷぷっ、大丈夫。昨日の夜も朝もらしくない藤ヶ谷に楽しませて貰ったから。」




F「良かった〜呆れてるかと思った。」




K「あんなので？全然、寧ろダメな藤ヶ谷を見れて嬉しかったよ。」



F「では、これからその記憶をカッコ良い藤ヶ谷に塗り替えるように、素敵なデートに行きたいと思います。」



K「楽しみにしています。」





「あっははは〜。」




少しだけ心配していた事も
今の笑い合った事で吹っ飛び
デレデレな甘々モードへと切り替える事に。




F「じゃあ、行こうか。デートだからね、はいっ手。」




手を差し出すと
その手に手を重ねてギュっとし
手を繋いでから出発。




北山とデートをするなら
ココって決めていた場所へと車を走らせる。



車内のBGMは、
ワザとデビュー前の曲を掛けて
2人で大熱唱をしながらのドライブ。




K「ねぇもしかして、この道って。」




F「わかった？そう、あそこだよ。」




車が向かっている先は、
デビュー前、免許を取り立ての時に
運転がしたくて2人でドライブをしに
よく来ていた場所。




あの頃からお互いに好きだと気付いてて
だから、
付き合い始めるならここからと決めていた。

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